仕掛物(読み)シカケモノ

デジタル大辞泉 「仕掛物」の意味・読み・例文・類語

しかけ‐もの【仕掛(け)物】

特殊な仕掛けのしてあるもの。特に、芝居大道具小道具衣装かつらなど。

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精選版 日本国語大辞典 「仕掛物」の意味・読み・例文・類語

しかけ‐もの【仕掛物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仕掛がしてある道具装置。特に芝居で、大道具、小道具、鬘(かつら)衣裳など。また、それらのものに特殊な工夫や装置をしたもの。
    1. [初出の実例]「いろいろあって、とど銅内、伴蔵、兵部を仕掛(シカ)け物(モノ)にて殺し」(出典:歌舞伎・貞操花鳥羽恋塚(1809)後の四立)
  3. しかけはなび(仕掛花火)
    1. [初出の実例]「試に今年の仕掛物(シカケモノ)と云ふのをあげて見ると」(出典:東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉七月暦)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仕掛物」の意味・わかりやすい解説

仕掛物
しかけもの

演劇用語で,大道具,小道具,かつら,衣装などに特殊な工夫やトリックを加えて,演出上の効果をあげるものをいう。

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世界大百科事典(旧版)内の仕掛物の言及

【小道具】より

…《菅原伝授手習鑑》の〈車引〉の牛,《一谷嫩軍記》の馬,《国性爺合戦》の虎のほか,蝦蟇(がま),ネズミなどの縫いぐるみの動物類,駕籠,御所車,輿,人力車などの乗物も小道具方の扱いである。 日常に使用しているものをそのまま使うときは〈本物〉といい,特別に作ったものは〈拵(こしら)え物〉,使い捨ての消えてしまうろうそく,煙草(たばこ),食べ物を〈消え物〉,こわすことを目的とした皿,茶碗,三宝などを〈壊れ物〉,動く動物,鼻緒が切れる履物,しおれる草花,射られた態(てい)で立つ矢など,あらかじめ仕掛けを施した道具を〈仕掛物〉と呼称している。能,狂言では歌舞伎の大道具に該当する職掌はなく,能舞台に置く塚,建物,舟や車など象徴的な据え道具は〈作り物〉,手に持つ中啓,刀,釣りざお,持ち枝などを〈小道具〉または〈手道具〉とよんでいる。…

※「仕掛物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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