仕舞い(読み)しまい

精選版 日本国語大辞典 「仕舞い」の意味・読み・例文・類語

し‐まい‥まひ【仕舞・終・了】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「しまう(仕舞)」の連用形の名詞化 ) 結末がつくこと。片をつけること。
  2. おわること。やめること。すんでしまうこと。おわり。→じまい
    1. [初出の実例]「大年はわれよひと夜の仕舞哉〈友世〉」(出典:俳諧・詞林金玉集(1679)一五)
  3. 序列、順位、時間などの最後の部分。ものごとの最終。いちばんあと。最後。すえ。
    1. [初出の実例]「いつでもしまひは鼾(いびき)さ」(出典滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)
  4. 特に、人の境遇、一生の結末。身のおさまり。はて。
    1. [初出の実例]「悲しき老のしまいやと」(出典:浄瑠璃・八百屋お七(1731頃か)下)
  5. 処置すること。決着をつけること。仕事などのかたづくこと。また、その処置、結果。首尾。
    1. [初出の実例]「コンニチノ ximai(シマイ) ヨウゴザッタ」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  6. 商家などで、しめくくりの勘定をすること。また、年末に、その年の収支決算をすませてから、正月の支度をすること。決済。決算。正月仕舞
    1. [初出の実例]「正月と云もあすの事じゃ〈略〉わこりょも定てしまひがならう」(出典:虎明本狂言・米市(室町末‐近世初))
  7. 暮らし向き。
    1. [初出の実例]「是ほど落ちても九軒町を昼歩行(ありく)は、分(わけ)の悪しからぬ仕舞(シマイ)」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)一)
  8. 江戸の遊里で、前もって女郎を買い切る約束をすること。また、紋日の費用などの特別な費用の支払いを約束すること。
    1. [初出の実例]「物日紋日にも随分余の客に仕舞(シマヒ)を頼み」(出典:談義本・当世花街談義(1754)二)
  9. 化粧をすますこと。化粧。身じまい。
    1. [初出の実例]「美しう髪結うて仕廻ひして」(出典:歌舞伎・隅田川続俤(法界坊)(1784)口明)
  10. 茶道で、点前(てまえ)を終えて、決った順序に従って道具を片づけること。
    1. [初出の実例]「亭主猶以手前様々の仕廻あり」(出典:利休客之次第(1587))
  11. 取引所で、転売、または買戻しによって、取引関係などを完了すること。てじまい。〔現代文化百科事典(1937)〕

じ‐まい‥まひ【仕舞・終】

  1. 〘 造語要素 〙
  2. 名詞に付いて、それを終える意を表わす。「仕事じまい」など。
  3. 動詞に打消の助動詞「ず」の付いたものに接して、…(しないで)終わってしまった、…(せずに)すんでしまったの意を表わす。
    1. [初出の実例]「到頭、三吉は言はず仕舞に牧野の家の門を出た」(出典:家(1910‐11)〈島崎藤村〉上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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