仙洞(読み)セントウ

デジタル大辞泉 「仙洞」の意味・読み・例文・類語

せん‐とう【仙洞】

仙人の住む所。
上皇御所。転じて、上皇。仙洞御所仙院

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精選版 日本国語大辞典 「仙洞」の意味・読み・例文・類語

せん‐とう【仙洞】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仙人の住むところ。また、俗界を離れた清浄な地。かすみのほら。
    1. [初出の実例]「久侍仙洞之筵。常嘗霊薬之味」(出典続浦島子伝記(920))
    2. 「院君が仙洞に入りしも、秦室七世の風に帰りき」(出典:保元物語(1220頃か)中)
    3. [その他の文献]〔白居易‐春題華陽観詩〕
  3. 太上天皇(上皇)の御所。仙洞御所。院の御所。仙院。
    1. [初出の実例]「老鶴従来仙洞駕、寒雲在昔妓楼衣」(出典:菅家文草(900頃)五・感金吾相公、冬日嵯峨院即事之什)
    2. 「内裏・仙洞・執柄家にては、公卿は官、殿上人は名朝臣、五位は名ばかり、六位は姓名ばかり」(出典:筑波問答(1357‐72頃))
  4. ( から転じて ) 太上天皇。上皇。院。
    1. [初出の実例]「我も我もと遊び給て、せんとうの御車を立られしは、面白き見物」(出典:古今連談集(1444‐48頃)上)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「仙洞」の意味・わかりやすい解説

仙洞
せんとう

仙人の住む所、また俗界を離れた清浄な地の意から、太上(だいじょう)天皇(上皇(じょうこう))の御所。転じて太上天皇の別称となる。

[編集部]

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普及版 字通 「仙洞」の読み・字形・画数・意味

【仙洞】せんどう

仙人の居。

字通「仙」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の仙洞の言及

【上皇】より

…太上天皇の異称には,上記の略称のほか,〈おりゐのみかど〉〈もとのうへ〉〈むなしきふね〉などの和風のものもあり,みな譲位の意による称で,〈むなしきふね〉は中国に出典のある〈虚舟〉の和訓である。しかしもっとも広く行われた異称は,上皇の御所を指す呼称から転じた院,仙院,仙洞などで,上皇が複数現存した場合は,一院または本院,中院,新院とよんで区別した。仙院,仙洞は上皇の御所を神仙の居所に見たてたもので,碧洞,洞中,藐姑射山(はこやさん)など,同類の用語もある。…

【仙洞御所】より

…現在の京都御苑内にあった院御所と庭園。京都御所の東南に位置しており,約9万m2の境域を占め,仙洞御所と大宮御所からなる。仙洞とは太上天皇の居所を意味し,現在の位置に仙洞御所が創建されたのは1627年(寛永4)に後水尾天皇の譲位を予定して幕府が造営に着手し,30年に完成した後水尾院御所であり,同時に後水尾院中宮東福門院の御所が仙洞東北に造営された。…

※「仙洞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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