精選版 日本国語大辞典「仙」の解説
せん【仙】
〘名〙
① 山中にはいって不老不死の法を修め、神変自在の術を得たという想像上の人。仙人。神仙。
※観智院本三宝絵(984)上「遙に仙の有るを見て其の前に集り居ぬ」 〔釈名‐釈長幼〕
② 仙人になる方法。また、その術。仙術。
※観智院本三宝絵(984)中「仙をもとむる志ありて葛木山にすむ」
※太平記(14C後)三七「仙の法皆尽て其験なし」
③ (ṛṣi の訳語) 仏語。さとりを得たもので神変自在の能力を備えたもの。梵行をおさめ法力ある人格。行者・声聞・辟支仏・菩薩なども仙ということがあり、仏を大仙ともいう。仙人。〔般若燈論釈‐一五〕
④ 仙人の住む地。仙人が修行する所。
※愚管抄(1220)一「浦島の子がつりたる亀女となりて仙にのぼれり」
⑤ 才芸にひいでた人。また、世間ばなれした人。高尚な人。
※草枕(1906)〈夏目漱石〉二「人間としては寧ろ仙に近づける方だらう」 〔杜甫‐飲中八仙歌〕
セント【仙】
〘名〙 (cent)
※航米日録(1860)五「市街に雇車あり、一人前六セントの価にて、数人乗り合せ」
② オランダの旧貨幣単位の一〇〇分の一。また、その貨幣。
※万国政表(1860)序「三十四・二十とする者は、和蘭の三十四元(ギュルデン)二十仙(セント)に当ると云へる意なり」
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