仲裁人(読み)ちゅうさいにん

精選版 日本国語大辞典 「仲裁人」の意味・読み・例文・類語

ちゅうさい‐にん【仲裁人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ちゅうさいしゃ(仲裁者)
    1. [初出の実例]「一々喧嘩の様子、とっくりあれにて聞いた故、ちょっと仲裁人に出た」(出典:歌舞伎・天満宮菜種御供(1777)八)
  3. 特に、仲裁手続で、民事上の紛争を判断するために選定される第三者。〔仏和法律字彙(1886)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仲裁人」の意味・わかりやすい解説

仲裁人
ちゅうさいにん
arbitrator; Schiedsrichter; arbitre

仲裁手続において,当事者間の争いを判断するために選定された第三者。仲裁人の選任および選任方法は,原則として当事者の合意によって定まり,合意がないときは法の規定による (「公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律」。明治 23年法律 29号) 。なお,仲裁人は刑法上は公務員と同じく,その職務に関して賄賂収受要求,約束すると収賄罪となり処罰される (刑法) 。

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世界大百科事典(旧版)内の仲裁人の言及

【仲裁】より


[民事上の仲裁]
 民事上の仲裁には,〈公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律〉の定めるもののほか,制定法上のものとして公害紛争処理法(1970公布)および建設業法(1949公布)によるものがあるが,ここでは前者のみ説明する。仲裁が行われるためには,当事者双方の紛争の解決を第三者(仲裁人)に付託する旨の合意(仲裁契約)が必要である。仲裁契約は,当事者が係争物につき和解をなす権限を有することがその要件であり(公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律786条),現在の紛争に限らず,一定の法律関係から派生する将来の紛争についてもなすことができる(787条)。…

※「仲裁人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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