伊勢や日向の物語(読み)いせやひゅうがのものがたり

精選版 日本国語大辞典 「伊勢や日向の物語」の意味・読み・例文・類語

いせ【伊勢】 や 日向(ひゅうが)の物語(ものがたり)

話の前後つじつまが合わないこと。互い言動がくいちがっていること。また、物事秩序序列がよくわからないことにいう。
伊勢物語知顕抄(1200‐86頃)上「ある事の、次第不同にしてさだかならず、〈略〉いせやひうがのと言ひならはしたるなり」
※浄瑠璃・国性爺後日合戦(1717)参宮「知るも知らぬも大幣(ぬさ)のいせや日向(ヒウガ)の物がたり」
[補注]この語の由来について、「諺草」では「天鈿女命(あめのうずめのみこと)の問に対して、猿田彦神(さるたひこのかみ)皇孫は日向の高千穂に、猿田彦は伊勢の五十鈴川上にと答えた説話による」とする。

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ことわざを知る辞典 「伊勢や日向の物語」の解説

伊勢や日向の物語

事の前後がはっきりしないまとまりのない話や、また、見当はずれなことなどにいう。

[解説] この語の由来について「伊勢物語知顕抄」は「伊勢(三重県)と日向(宮崎県)の男が死んだ時、えんの庁で、寿命のある伊勢の男を生き返らせようとしたが、すでに灰になっていたので、日向の男の体に生き返らせたところ、体と心が別人で、言うことがちぐはぐであった」といい、また、「諺草」は「天鈿女命あめのうずめのみことの問いに、随行者の猿田彦神が、皇孫は日向の高千穂に、自分は伊勢の五十鈴川上に下る」と答えた説話によるとしています。

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