デジタル大辞泉
「竈祓」の意味・読み・例文・類語
かま‐ばらい〔‐ばらひ〕【×竈×祓】
《「かまはらい」とも》
1 毎月末日に、巫女が民家のかまどの祓いをし、清めたこと。また、その巫女。荒神ばらい。かまどばらい。かまじめ。《季 冬》
2 1の巫女で売春をするもの。転じて、売春婦。
「―の神子男ばかりの内を心懸くると」〈浮・男色大鑑・一〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
かま‐ばらい‥ばらひ【竈祓】
- 〘 名詞 〙 ( 「かまはらい」とも )
- ① 歳末、また、月の晦日(みそか)などに巫女(みこ)などが来て、かまどをはらい祈祷し、しめ縄を張ってまつること。また、その巫女。かまはらえ。かまっぱらい。かまどばらい。かままつり。竈注連(かましめ)。竈注連祓。荒神祓(こうじんばらい)。《 季語・冬 》
- [初出の実例]「江戸あたりをありくかまはらひといふもの有。うたうたひ、かまどのまへにてまふ也」(出典:咄本・私可多咄(1671)四)
- ② ①の巫女の売春をするもの。転じて、淫売婦。
- [初出の実例]「竈払(カマハラ)ひの神子(みこ)男ばかりの内を心懸ると」(出典:浮世草子・男色大鑑(1687)一)
かまど‐はらえ‥はらへ【竈祓】
- 〘 名詞 〙 =かまばらい(竈祓)
- [初出の実例]「彌生晦日にかまどはらへせしに かまどさへけふや三月しんはらへ〈季吟〉」(出典:俳諧・桜川(1674)春)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 
世界大百科事典(旧版)内の竈祓の言及
【盲人】より
… 盲人は近世に入っても農耕儀礼や死者供養と結びついて呪術宗教的な古態を残していた。山陰・防長から九州一円にかけて,一部には大和・紀伊にも分布していた[盲僧]は春秋の地神祭に近隣の檀家を回り,琵琶を弾じて地神経(じしんきよう)を読み,四季の土用に竈神・荒神を祀る竈祓(かまどばらい)を執行し,あるいは息災の加持祈禱を行った。盲僧の琵琶芸は中世の琵琶法師と系譜を一にすると思われるが,祭神,祭式,経文の実態は修験道との交渉を介して道教,陰陽道(おんみようどう),密教等と雑多な習合を遂げていた。…
※「竈祓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
Sponserd by 