20世紀日本人名事典 「伊藤栄樹」の解説
伊藤 栄樹
イトウ シゲキ
- 生年
- 大正14(1925)年2月3日
- 没年
- 昭和63(1988)年5月25日
- 出生地
- 愛知県名古屋市
- 学歴〔年〕
- 東京大学法学部法律学科〔昭和22年〕卒
- 経歴
- 昭和24年に検事となり、法務省刑事局長、事務次官を経て、56年最高検次長検事、58年12月東京高検検事長、60年12月検事総長に就任。第一線の特捜検事時代に、造船疑獄事件を担当したが、指揮権発動という政治の壁にぶつかった苦い経験を生かし、「巨悪の剔抉(てっけつ)」をモットーにしてきた。特に、法務省刑事局長だった54年ダグラス・グラマン事件捜査の進展に関して国会で「初めに5億円ありき」と答弁して有名に。“ミスター検察”の異名をとった。61年4月には撚糸工連汚職で与野党政治家の取調べを行う。63年3月がんのため辞任。その後、死の間際まで、朝日新聞に「秋霜烈日」、「新潮45」に「人は死ねばゴミになる」を連載していた。著書に「検察庁法逐条解説」「だまされる検事」「刑事訴訟法の実際問題」「検事総長の回想」などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報