朝日日本歴史人物事典 「伊藤単朴」の解説
伊藤単朴
生年:延宝8(1680)
江戸時代の談義本作者。本名は伊藤半右衛門。江戸石町の商家に生まれ,若年時は俳諧をやり,其角門で山洞と号したらしい。正徳年中(1711~16)に八王子の近辺青柳村に閑居,医を業とした。寛延3(1750)年にはすでに,当時江戸向島牛島辺に住む,狭義の談義本の開祖静観房好阿と知己だったらしい。宝暦2(1752)年,好阿の『当世下手談義』と同年に,若干遅れて『教訓雑長持』を刊行。その他にも『銭湯新話』などを著し,合わせて5部の談義本を刊行する。好阿と並んで狭義の談義本を切り拓き,そのスタイルを定めた。
(樫澤葉子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報