装置を操作温度に維持したり,あるいは伝熱を行わせたりする目的で,熱源と被加熱体間の熱エネルギー搬送担体(一般に循環される)として用いられる種々の流体.加熱に用いる流体を熱媒,冷却に用いる流体を冷媒という.熱媒の条件としては,熱的に安定で,単位体積当たりの熱容量が大きく,比重,粘度,熱伝導率,蒸気圧などに適当な物性値を有し,装置に対する腐食が少なく,不燃性,無害,安価であることなどがあげられる.よく用いられるものとして,ダウサーム(250~400 ℃),水ならびに水蒸気(0~240 ℃),水銀(-38~350 ℃),油(0~250 ℃),Na-K(56質量%Na,44質量%K)(30~800 ℃),HTS(40質量%NaNO2,7質量%NaNO3,53質量%KNO3)(150~550 ℃)などがある.また,冷媒としてブライン(塩化物溶液の総称で塩化カルシウム液,塩化マグネシウム液,塩化ナトリウム液),アンモニア,エタノールなどがある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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