伝熱媒体(読み)デンネツバイタイ

デジタル大辞泉 「伝熱媒体」の意味・読み・例文・類語

でんねつ‐ばいたい【伝熱媒体】

熱媒体

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「伝熱媒体」の解説

伝熱媒体
デンネツバイタイ
heat transmitting medium

装置を操作温度に維持したり,あるいは伝熱を行わせたりする目的で,熱源と被加熱体間の熱エネルギー搬送担体(一般に循環される)として用いられる種々の流体.加熱に用いる流体を熱媒冷却に用いる流体を冷媒という.熱媒の条件としては,熱的に安定で,単位体積当たりの熱容量が大きく,比重,粘度,熱伝導率,蒸気圧などに適当な物性値を有し,装置に対する腐食が少なく,不燃性,無害,安価であることなどがあげられる.よく用いられるものとして,ダウサーム(250~400 ℃),水ならびに水蒸気(0~240 ℃),水銀(-38~350 ℃),油(0~250 ℃),Na-K(56質量%Na,44質量%K)(30~800 ℃),HTS(40質量%NaNO2,7質量%NaNO3,53質量%KNO3)(150~550 ℃)などがある.また,冷媒としてブライン(塩化物溶液の総称で塩化カルシウム液,塩化マグネシウム液,塩化ナトリウム液),アンモニアエタノールなどがある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「伝熱媒体」の意味・わかりやすい解説

伝熱媒体
でんねつばいたい
heating medium

装置とか機械類の操作温度を制御する目的で熱エネルギーを供給または除去するために使用される流体。加熱に用いられるものは熱媒,冷却に用いられるものは冷媒という。熱媒としては水蒸気が最も広く用いられているが,特に高温触媒としてはアメリカのダウ・ケミカルで開発された「ダウサーム」 Dowthermが有名である。ダウサームAは,ジフェニルオキサイド (73.5%) とジフェニル (26.5%) の共融混合物沸点が 257℃で 200~350℃の加熱に適する。冷媒としては水が最も普通である。

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