似せ者(読み)ニセモン

デジタル大辞泉 「似せ者」の意味・読み・例文・類語

にせもん【似せ者】

松井今朝子短編時代小説。歌舞伎役者坂田藤十郎によく似た人物をめぐる物語。平成13年(2001)、雑誌小説現代」に掲載同作を表題作とする小説集は翌年刊行で、第128回直木賞候補作となった。

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精選版 日本国語大辞典 「似せ者」の意味・読み・例文・類語

にせ‐もの【贋物・偽物・似物・贋者・偽者・似者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 実物に似せて作ったもの。模造品、また、本ものに見せかけて作ったもの。まがいもの。ぎぶつ。がんぶつ。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「このありさまは塵世を出離の似せものとやいはん」(出典:俳諧・三千風笈さがし(1701)下)
  3. 本人に見せかけた別人
    1. [初出の実例]「其外の似せものめら、何之分もなく、『そっと』『ちっと』など申候とて」(出典:許六宛去来書簡‐元祿八年(1695)正月二九日)
  4. 職業や身分をごまかしている人。他の身分、職業をよそおう人。
    1. [初出の実例]「武士の似せ物せんよりは、ただ其儘の町人こそ心安けれと」(出典:町人嚢(1692)二)
  5. 和歌や連歌俳諧で、語の本来の意味から離れて比喩的に用いることをいう。花・月・雨に対する波の花・雪の月・木葉の雨などをさす。〔俊頼髄脳(1115頃)〕

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