佐原の大祭(読み)さわらのたいさい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「佐原の大祭」の意味・わかりやすい解説

佐原の大祭
さわらのたいさい

千葉県香取市北西部佐原の旧市街を流れる小野川右岸の本宿左岸の新宿で行なわれる夏祭り秋祭り総称。夏祭りは本宿の八坂神社祇園祭,秋祭りは新宿の諏訪神社例祭をさす。祇園祭は本来旧暦 6月10日の祭りだが,今日では 7月10日以降の金曜日から日曜日に行なわれ,諏訪神社の例祭も本来は旧暦 7月27日だが,今日では 10月第2金曜日から日曜日までとなっている。どちらの祭りも山車年番(本宿),幣台年番(新宿)と呼ばれる任期 3年の年番町が祭り全般をとりしきり,年番町の交代が行なわれる年の祭りは本祭と呼ばれる。祇園祭には本宿の 10町内,諏訪神社の例祭には新宿の 14町内がそれぞれ下座連と呼ばれる囃子の乗る囃子台と神話・歴史上の人物などの人形を載せた露台からなる 2層構造の山車を引き回し,本祭の年にはすべての山車が決まった順序で動く。山車人形は毎年趣向を凝らしたものをつくっていたが,今日では毎年同じ人形を使っている。また,かつては山車を引くのは佐原旧市内の人々で,囃子は周辺の村人たちが担っていたが,近年は囃子も旧市内の人々が奏でるようになっている。2004年「佐原の山車行事」として国の重要無形民俗文化財に指定され,2016年に「山・鉾・屋台行事」の一つとして国際連合教育科学文化機関 UNESCO世界無形遺産に登録された。

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