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佐原 さわら

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

佐原
さわら

千葉県北東部,香取市北西部の旧市域。利根川下流に位置し,川を挟んで茨城県と接する。1951年佐原町,香取町,香西村,東大戸村が合体して佐原市となった。1955年新島村,津宮村,大倉村,瑞穂村の 4村を編入。2006年山田町,栗源町,小見川町と合体して香取市となった。下総台地から利根川北岸の三角州を含み,中心地区の佐原は江戸時代に江戸と銚子を結ぶ利根川水運の重要河港として繁栄した。古くから食品加工業,醸造業が盛ん。干拓地の十六島早場米の産地。小野川沿いに,かつての繁栄の名残りをとどめる米問屋などの古い町並みが残り,国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。江戸時代後期の地理学者伊能忠敬旧宅下総国一の宮だった香取神宮などがある。八坂神社祇園祭と諏訪神社秋祭りでの「佐原の山車行事」は国指定重要無形民俗文化財に指定されており,2016年に「山・鉾・屋台行事」の一つとして国際連合教育科学文化機関 UNESCOの世界無形遺産に登録された。北部の利根川流域一帯は水郷筑波国定公園大利根県立自然公園に属し,特に十六島は水郷観光の中心地をなす。

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デジタル大辞泉の解説

さわら〔さはら〕【佐原】

千葉県北東部にあった市。平成18年(2006)3月に小見川町・山田町・栗源(くりもと)町と合併し香取市となる。→香取

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大辞林 第三版の解説

さわら【佐原】

千葉県香取市の地名。かつて利根川水運の河港として商業・醸造業で繁栄。現在、水郷地帯の商業・観光の中心地。古い商家の建物が多く残る。香取神宮や伊能忠敬の旧宅がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

佐原
さわら

千葉県北東部にあった旧市名(佐原市)。現在は香取(かとり)市の北西部を占める地域。利根(とね)川下流の低地と下総(しもうさ)台地とからなる。旧佐原市は1951年(昭和26)佐原町、香取町、香西(かさい)村、東大戸村が合併して市制施行。1955年新島(しんしま)村、津宮(つのみや)村、大倉村、瑞穂(みずほ)村を編入。2006年(平成18)、香取郡小見川(おみがわ)町、山田(やまだ)町、栗源(くりもと)町と合併、香取市となった。地名は、香取神宮の祭礼に用いた土器「浅原(さはら)」をつくった土地に由来するとか、かつては利根川沿いの狭原(さわら)、砂原、笹(ささ)原など地勢のようすからともいわれる。古代、旧市域の北半分の地域は香取海が深く入り込んでいたが、1654年(承応3)江戸幕府により利根川の流路が銚子(ちょうし)へと変えられて以後、低湿地が広範囲に形成された。台地と低地の変換線に沿ってJR成田線と国道356号が走り、JR鹿島(かしま)線が香取駅から分かれる。国道51号は利根川を渡る水郷(すいごう)大橋を経て水郷、潮来(いたこ)、鹿嶋を結ぶ。東関東自動車道が通じ、佐原香取インターチェンジがあり、南部を東総有料道路が走る。
 中世に千葉氏の一族国分(こくぶ)氏が矢作(やはぎ)城を築き、のちに大崎城へと移ったが、1590年(天正18)に滅びた。近世初期、水郷の低湿地である十六島が、対岸の佐竹氏に対する江戸幕府の防衛上、隠遁(いんとん)武士団によって新田開発された。銚子から利根川を上って東北地方の物資を江戸へ運ぶようになると、佐原は支流の小野川沿いの河港として発達した。1898年(明治31)の成田線開通後は衰微した。水郷地帯は水路が縦横に張り巡らされていて田舟(たぶね)を使っての農作業が一般的であったが、第二次世界大戦後、霞ヶ浦(かすみがうら)、与田(よだ)浦の干拓や土地区画整理が進められ、湿田が乾田化されて千葉県第一の早場米地域をなすに至った。最近では米作のほかに養豚、いも類の生産が盛んとなり、伝統的な酒造りやしょうゆ工業も行われる。また、田園地帯の中心都市として商業機能が強く、1959年(昭和34)に指定された水郷筑波(つくば)国定公園の拠点ともなっている。
 与田浦には水生植物園、大利根博物館が整備されており、6月のハナショウブのシーズンには、女船頭が操る観光田舟が、加藤洲(かとうず)十二橋を結ぶ水郷を往来し、川釣り客とともにレクリエーション客が増える。7月の八坂神社の祇園(ぎおん)祭と10月の諏訪(すわ)神社の祭りには、10台を超える豪華な山車(だし)が繰り出して佐原囃子(ばやし)とともににぎわう(佐原の山車行事として国指定重要無形民俗文化財)。市の中心佐原地区には伊能忠敬(ただたか)旧宅(国指定史跡)や記念館があり、館蔵の伊能忠敬関係資料は国宝。市街地東方の香取神宮には国宝の海獣葡萄(かいじゅうぶどう)鏡や数多くの宝物がある。[山村順次]
『『佐原市史』(1966・佐原市)』

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