佐原太郎右衛門(読み)さばら・たろうえもん

朝日日本歴史人物事典 「佐原太郎右衛門」の解説

佐原太郎右衛門

没年享保15.1.21(1730.3.9)
生年天和2(1682)
享保14(1729)年奥州信夫・伊達郡幕領一揆の頭取,義民。信夫郡佐原村(福島市)の生まれ。3月大森・川俣代官所支配の54カ村は種籾夫食拝借,年貢減免などを要求し強訴,のち太郎右衛門は江戸下谷長者町白子屋に潜伏。5月に訴状7カ条,6月に追訴状1カ条を評定所目安箱へ投入した。9月幕府は一揆首謀者94名を処罰,太郎右衛門は村に不在のまま「追放」となる。12月訴願活動中江戸で捕らえられ,翌15年1月佐原村荒田口で死罪獄門となった。生地には天明5(1785)年太郎右衛門一族の供養碑,明治44(1911)年「義民太郎右衛門之碑」,大正14(1925)年「義民終焉之地」の碑,昭和初年造営の義民霊堂がある。<参考文献>『福島市史』2・9巻

(阿部俊夫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐原太郎右衛門」の解説

佐原太郎右衛門 さばら-たろうえもん

1682-1730 江戸時代中期の農民
天和(てんな)2年生まれ。陸奥(むつ)信夫(しのぶ)郡(福島県)佐原村の人。享保(きょうほう)14年の信夫・伊達郡の農民一揆(いっき)の頭取。幕府の大森代官所に年貢減免を強訴(ごうそ),さらに江戸に潜伏して目安箱に訴状を投入したが捕らえられ,享保15年1月21日処刑された。49歳。

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