日本歴史地名大系 「佐寺原遺跡」の解説
佐寺原遺跡
さてらばるいせき
日田盆地を西に望む標高約一五〇メートルの台地上にある弥生時代の遺跡。盆地との比高は五〇メートル余で、現在は大分県林業試験所の敷地内。平成二年(一九九〇)遺跡の北側縁辺部約四〇〇〇平方メートルが調査され、弥生時代の竪穴住居跡二三軒・貯蔵穴六五基・溝状遺構二条・掘立柱建物四棟と小児用壺・甕棺墓一六基などが検出された。弥生時代中期初頭の小型貯蔵穴を初現に、後期終末および古墳時代初頭まで途絶えることなく営まれ、日田盆地の台地上にある遺跡に共通する傾向を示す。住居跡は中期一四軒・後期九軒に分けられ、その平面形態や規模は中期初頭から前半が小型隅丸方形、中期中葉から後半は円形、後期以降は方形となる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報