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佐村河内守 さむらごうちまもる

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知恵蔵2015の解説

佐村河内守

全ろうの作曲家として、米「TIME」誌では「現代のベートーベン」とも称された人物。1963年9月21日、被爆者を両親に広島で生まれる。自伝「交響曲第一番 闇の中の小さな光 」によると、4歳から母親よりピアノ英才教育を受け、10歳でベートーベンやバッハを弾きこなしたとされてきた。17歳の時、原因不明の片頭痛や聴覚障害を発症。高校卒業後は独学で作曲を学んだといい、97年公開の映画「秋桜」のサウンドトラックや、98年発売のゲーム「バイオハザード」のBGM、99年発売のゲーム「鬼武者」のBGM「交響組曲RISING-SUN」などを自作の曲として発表し、脚光を浴びた。
2011年にCDリリースされた「交響曲第1番〈〈HIROSHIMA〉〉」は、東日本大震災の被災地を中心に「希望のシンフォニー」と呼ばれ、13年3月のNHKスペシャルで壮絶な生を巡るドキュメントが取り上げられて大反響となった。同CDはクラシック音楽としては異例のオリコン総合チャート2位を記録。8月までの出荷枚数が17万枚を超えた。
14年2月、週刊誌「週刊文春」の記事により、桐朋学園大講師で作曲家の新垣隆が佐村河内の作品とされてきた曲を代作してきたことを告白。同6日、新垣が会見を開き、18年にわたってゴーストライターを務めていたと告白し、自らを共犯者であると謝罪した。この会見で、佐村の耳が聞こえないと感じたことは1度もないと語ったことで、代作問題だけでなく障害者としての詐称と、各メディアによる様々な誤報にまで問題が及ぶこととなった。広島市は、08年に佐村に授与した「広島市民賞」の取り消しを決めた。
2月12日、佐村は報道関係にファックスで謝罪文を送付し、聴力は3年前から限定的に回復していたと釈明。3月7日には記者会見を開き、聴力については現時点では聴覚障害に該当しないと診断されたことや、障害者手帳は横浜市に返納したことなどを明らかにした。

(葛西奈津子  フリーランスライター / 2013年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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