デジタル大辞泉
「片頭痛」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
片頭痛
季節の移り変わりや体内ホルモンの変化のほか、睡眠不足、ストレスなどが引き金となって起きる頭痛。目まいや吐き気を併発し、日常生活に支障を来すことも多い。現在は症状が出た場合に内服薬を服用するなどの対症療法が中心で、根本的な治療は難しいとされる。発症に至る詳しいメカニズムも分かっていない。
更新日:
出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
Sponserd by 
かた‐ずつう‥ヅツウ【片頭痛】
- 〘 名詞 〙 頭の右または左の一方だけに起こる頭痛。偏頭痛。〔改正増補和訳英辞書(1869)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 
片頭痛(頭痛)
(2)片頭痛 (migraine)
概念
片側性,拍動性の頭痛で,随伴症状として悪心や光過敏・音過敏を伴う症例が多い.発作急性期の治療には,セロトニン受容体アゴニストであるトリプタンを用いることが多い.
分類
さまざまなタイプがあるが大きく「前兆のない片頭痛」と「前兆のある片頭痛」に二分される.
疫学
わが国における15歳以上の片頭痛の有病率は約8.4%(男性3.6%,女性13.0%)であり,その傾向は欧米諸国でも同様で女性が男性に対し約3倍多いと報告されている.
病因・病態生理
片頭痛の病因および病態はいまだに明らかにされていない.片頭痛における前兆には,cortical spreading depression(皮質拡延性抑制)とよばれる現象が関与していると考えられている.頭痛は三叉神経血管系の活性化による脳血管および脳硬膜動脈の拡張や脳硬膜の神経原性炎症に起因するとされている(図15-17-5).
臨床症状
片頭痛は,片側性・拍動性で,中等度から重度の強さをもち,4~72時間持続する頭痛である.また動作による増悪を認め,随伴症状として悪心や光過敏・音過敏を有する.
前兆は5~20分にわたり徐々に進展し,かつ持続時間が60分未満の可逆性脳局在神経症状と定義される.前兆のある片頭痛のなかで視覚症状,感覚症状あるいは言語症状のいずれか1つ以上からなる片頭痛は「典型的前兆に片頭痛を伴うもの」に分類される.視覚性の前兆は最も一般的な前兆で,閃輝暗点として出現する場合が多く,患者は「眼前のチカチカ」と表現することが多い.なお片頭痛に特徴的な他覚症状はない.
診断・鑑別診断
前兆のない片頭痛のICHD-Ⅱの診断基準を表15-17-3に記す.項目B〜Dには発作時間,頭痛の性状および随伴症状などが列挙され,項目Eには二次性頭痛の可能性を鑑別することが記載されている.その他の片頭痛の診断基準についてはICHD-Ⅱ(日本頭痛学会・国際頭痛分類普及委員会,2007)を参照されたい.
経過・予後
片頭痛発作頻度の多い症例では,慢性片頭痛への移行が報告されている.慢性片頭痛は,片頭痛の特徴とされる光・音過敏や悪心・嘔吐などが減少し,拍動性の要素はあるがその他は緊張型頭痛に類似した性質の頭痛が月の半分以上かつ3カ月以上の頻度で出現するものである.
治療
片頭痛の薬物療法は,急性期治療と予防療法に分けられる.急性期治療薬としてセロトニン受容体アゴニストであるトリプタン,エルゴタミン製剤および鎮痛薬などが用いられる(日本頭痛学会,2006).わが国で使用可能なトリプタンはスマトリプタン,ゾルミトリプタン,エレトリプタン,リザトリプタンおよびナラトリプタンの5種類である.スマトリプタンは錠剤のほか皮下注射薬(在宅自己注射が可能)および点鼻薬としての投与も可能である.なお「前兆のない片頭痛」および「典型的前兆に片頭痛を伴うもの」では通常トリプタンが第一選択薬となるが,片麻痺性片頭痛や脳底型片頭痛では,トリプタンは禁忌とされている.
予防療法としてカルシウム拮抗薬であるロメリジンおよび抗てんかん薬のバルプロ酸が保険適用となっているが, β遮断薬,抗うつ薬,アンジオテンシン変換酵素阻害薬,アンジオテンシンⅡ受容体阻害薬なども投与されることがある.[清水利彦・鈴木則宏]
■文献
日本頭痛学会・国際頭痛分類普及委員会訳:国際頭痛分類第2版 新訂増補日本語版,医学書院,東京,2007.
日本頭痛学会編:慢性頭痛の診療ガイドライン,医学書院,東京,2006.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
Sponserd by 
へんずつう【片頭痛 Migraine】
[どんな病気か]
初め、脳の中や周辺にある血管が収縮し、そのあと過度に拡張するためにおこる血管性の頭痛(ずつう)です。
この片頭痛には、前兆をともなう片頭痛と前兆をともなわない片頭痛の2つのタイプがあります。
■前兆をともなう片頭痛
頭痛の始まる前に目の前がちかちかする、視野の中心部や片側が見えない、半身にしびれや脱力感を感じるなどの前駆(ぜんく)症状があります。
この前駆症状は60分以内におさまり、頭痛が始まります。
痛みは、ズキズキと拍動性(はくどうせい)で、頭の片側に感じるのがふつうです。
痛みは、前頭部、側頭部を中心に1~2時間でピークに達し、数時間~2日間くらい続きます。痛みのピーク時には吐(は)き気(け)、嘔吐(おうと)をともないます。このような頭痛が反復しておこり、1か月に数回におよぶこともあります。
疲労、不眠、ストレスなどがきっかけとなって頭痛が誘発されてきます。姿勢を変えたり、運動をすると痛みが強くなります。
患者さんは女性が多く、10~20歳代に最初の頭痛がおこり、以後、くり返しおこるようになって、いわゆる頭痛もちになります。血のつながった家族のなかにも、同じ頭痛もちの人がいることが少なくありません。
■前兆をともなわない片頭痛
痛み方、痛む部位、好発年齢のほか、女性に多いこと、家族のなかに同じ頭痛もちの人がいるなどの点は前兆をともなう片頭痛と同じですが、前駆症状がなく、頭痛の持続時間がやや長い点が異なります。
[治療]
トリプタン系の血管収縮薬(けっかんしゅうしゅくやく)を用い、過度に拡張した血管を縮ませます。
頭痛が頻繁(ひんぱん)におこる場合は、精神安定剤、血管の拡張を抑えるβ受容体遮断薬(ベータじゅようたいしゃだんやく)、鎮痛薬(ちんつうやく)などをいっしょに用います。頭痛がひどくなる前に血管収縮薬を服用すると、頭痛がおこらなくなるか、おこっても軽くすみます。
[予防]
頻繁におこる場合は、薬を随時服用すると、頭痛に悩まされることなく、快適な生活を送ることが可能です。
しかし、これは、片頭痛に対する本人の理解が深まった段階で行なう予防法です。したがって、薬の服用にあたっては、自分かってに行なわず、必ず医師に相談し、その許可を得てから行なうようにしてください。
出典 小学館家庭医学館について 情報
Sponserd by 
片頭痛
へんずつう
migraine
ずきんずきんと脈打つような強い頭痛が発作性に片側の側頭部、ときには両側性、あるいは後頭部などに現れる病気で、頭痛は反復し、慢性に経過する。男性よりも女性に多くみられ、若年期に発症するものが多く、更年期以降は減少の傾向がある。頭痛は通常2、3時間続いて軽快し、発作と発作の間には現れない。これを普通型片頭痛という。これに対して典型的片頭痛では、頭痛がおこる前に前駆症状として目がちかちかしたり、視野が狭くなったりするほか、視力低下、めまい、吐き気、嘔吐(おうと)などがみられる。まれであるが長い経過をとる片頭痛患者では、頭痛発作のかわりに腹痛発作、胸部・骨盤・四肢に限局する疼痛(とうつう)発作、一過性の精神症状を認めることもある。これを片頭痛代理症という。
片頭痛は血管性頭痛の代表的なものとされており、その成因については、脳血管の収縮に引き続いておこる頭蓋(とうがい)内外血管の拡張を重視する頭部血管の異常反応説が有力である。片頭痛発作の治療には、頭部血管の拡張を抑制するトリプタン系薬剤やエルゴタミン製剤を用いることが多い。予防には、カルシウム拮抗(きっこう)薬の塩酸ロメリジン、β(ベータ)遮断薬、精神安定剤などが用いられる。
[海老原進一郎]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
Sponserd by 
片頭痛
へんずつう
migraine
偏頭痛とも書く。発作性があり,しばしば周期的に起る頭部片側の頭痛。発作前駆期に脳や網膜の血管が収縮し,次に頭蓋内外の血管が拡張するため頭痛が起る。女性に多く,月経周期と関連していることが多い。一般に全身倦怠感,めまいなどを前駆症状として,前頭部,ことに左側に頭痛が始り,これは数時間で終ることもあれば,数週間続く例もある。疼痛は頭部全体に拡散したり,悪心,嘔吐があり,代償的な眼症状やほかの器官の痛み,精神症状を伴うこともある。真の原因は不明で,内分泌障害,自律神経機能障害,アレルギーなどが関係するといわれる。ほかに,特定の疾患の随伴症状としてみられる片頭痛もある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
Sponserd by 
片頭痛
主に片側の周期的な頭痛で,めまいなどをともなうものがある.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
Sponserd by 