鳥取県西部、西伯郡(さいはくぐん)にあった旧町名(会見町(ちょう))。現在は南部町(なんぶちょう)の東北部。旧会見町は1955年(昭和30)幡郷(はたさと)村の一部を編入した手間(てま)村と賀野(がの)村の2村が合併し、旧郡名を町名として町制施行。2004年(平成16)西伯町と合併して南部町となる。旧町域は古代信仰を語る御内谷(みうちだに)の巨石群や古墳群、条里制遺構などがあり、法勝寺(ほっしょうじ)川流域の古代文化中心地。中心の天萬(てんまん)は出雲(いずも)へ通じる古山陰道に沿い、近世も宿駅。手間山は大国主命(おおくにぬしのみこと)が兄神らに欺かれて、山上から落下する焼け石を抱いて死んだという『古事記』神話伝承地。県指定文化財の金田瓦窯跡(かねだがようせき)は、長さ10メートル、幅、高さとも1メートルで、奈良時代の登窯(のぼりがま)の様式を残す。おもな農作物は米、カキ、ナシなどで、肉用牛を中心とする畜産も行われている。
[岩永 實]
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