佐谷村(読み)さたにむら

日本歴史地名大系 「佐谷村」の解説

佐谷村
さたにむら

[現在地名]加西市佐谷町

上野うえの村の北、万願寺まんがんじ川上流左岸の支流域に位置する。東は河内こうち村。

〔中世〕

在田下ありたしも庄内一村。明徳二年(一三九一)九月二八日の西大寺末寺帳(西大寺文書)には、奈良西大寺流の播磨国内真言律宗寺院の一つとしてサタニの曼荼羅まんだら寺がみえ、「今ハ号延命寺」との注記がある。当地西部の山際延命えんめい寺墓があり、五輪塔などの残欠が散乱していた。また延命寺跡もある。在田上庄内の国利くにとし名・末真すえざね名を闕所地とされた佐谷大炊助は(永和二年一〇月一九日「深阿・覚清連署奉書案」金剛三昧院文書)大部おおべ(現小野市)の公文職争論に介入した佐谷政尊と同一人物で、佐谷村を本貫地としていたと推測できる。

佐谷村
さたにむら

[現在地名]須恵町佐谷

若杉わかすぎ山の南麓に位置し、北は上須恵村、南は宇美うみ(現宇美町)、東はショウケ越を経て穂波ほなみ内住ないじゆ(現筑穂町)。古くは若杉山の稜線を境に若杉村(現篠栗町)谷、佐谷村を谷とよんだという。若杉山太祖たいそ権現の僧坊が左右の谷に三〇〇坊あったと伝える(続風土記)。字観音谷かんのんだににある梵字板碑(県指定文化財)の正中二年(一三二五)七月一五日付銘文に「天台別院有智山末寺於左谷山賢聖院」とみえる(町村書上帳/鎌倉遺文三七)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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