何が(読み)ナニガ

デジタル大辞泉 「何が」の意味・読み・例文・類語

なに‐が【何が】

[連語]代名詞「なに」+格助詞「が」》
反語の意を表す。どうして…か、そんなことはない。「そんなに着ていて、何が寒いものか」
「―惜しかろ。…これそちにやるぞ」〈続狂言記・秀句大名〉
原因を表す句の上に付いて、次の結果は当然であるという気持ちを表す。なにしろ。なにせ。
信濃へ行きやした。―あっちは飯どころでござりやすから」〈滑・膝栗毛・七〉

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精選版 日本国語大辞典 「何が」の意味・読み・例文・類語

なに‐が【何が】

  1. 〘 連語 〙 ( 「が」は格助詞 )
  2. 主格に立つものの実体を、不明または不定のものとして指示する。どういうものが。どんなことが。だれが。
    1. [初出の実例]「ちと物が変じて成上りました。夫は何が成り上たぞ。物が。何が。物が。何が。こなたの御太刀が此様な杖に成り上りました」(出典:虎寛本狂言・成上り(室町末‐近世初))
  3. 原因や動機を不明なものと指示して反語の表現を導く。どうして(…であろうか)。なぜ(…する必要があろう)。
    1. [初出の実例]「人が悪い事とをするとて我も悪事をせうではなにがよからうぞ」(出典:土井本周易抄(1477)四)
  4. どう考えても否定できない事実を、動かない事実として認める気持を表わす。なにしろ。なんと言っても。
    1. [初出の実例]「なにが庭で拝しまらせいではと云てをがまれたぞ」(出典:玉塵抄(1563)一二)
    2. 「いつやらも信濃へ行やした。なにが、あっちは飯どころでござりやすから」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)七)

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