主格(読み)しゅかく

精選版 日本国語大辞典 「主格」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐かく【主格】

〘名〙
文法で、文や句の中で名詞代名詞などが、動詞・形容詞などに対して、その作用・性状の本体を表わしているときの語格国語、特に現代語では助詞「が」が主格を示す。これに、述語に対する主題として提示されている場合の語格を混同することがある。その場合は助詞「は」が用いられる。〔教育心理・論理術語詳解(1885)〕
② 一般に、動作主体
小説方法(1948)〈伊藤整日本の方法「この秩序の中では作者は主格として現われるが、功利的現実に触れ得ない人物としてしか描かれない」

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デジタル大辞泉 「主格」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐かく【主格】

文法で、文や句の中で名詞代名詞などが述語に対して、その作用・性状の本体を表しているときの語格。現代日本語ではふつう、助詞「」が主格を示すのに用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内の主格の言及

【主語・述語】より

… すなわち,[1]主語とされてきた文成分は,意味やシンタクスや形態の上で他の文成分(目的語補語,副詞句等)とは明らかに区別されるに足る諸々の特徴を備えている。特に,(1)動作をあらわす単純な(能動文)においては,意味的にその動作主に相当する,(2)シンタクスの上で原則として不可欠である,(3)その人称や数(すう)に対応して動詞の形態が変化する,(4)これらの言語では一般に,代名詞や名詞(あるいはその冠詞)がいわゆる格変化()を行うが,そのうち最も基本的と認められる格(主格)の形態であらわれる,という特徴を兼ね備えている点で(ただし現代英語では,(3)はbe動詞のときは認められるものの他の動詞についてはわずかに三人称単数現在の場合に,また(4)の格変化は代名詞の場合に,それぞれとどめているだけではあるが),際だった文成分だと認められる。また,[2]その文成分が典型的には文頭に位置し,文や節からそれを除いた残りの部分が文法上一つのまとまりをなす(文の文法的な構造上,両者の間に大きな切れ目があって全体が二分される)という趣が強い。…

※「主格」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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