便風（読み）ビンプウ

デジタル大辞泉

びん‐ぷう【便風】

１ 都合のよい風。順風。
２ 便り。音信。
３ 能楽で、便宜的に別のものを応用した風体。世阿弥の用いた語。応用風。べんぷう。

べん‐ぷう【便風】

⇒びんぷう（便風）

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

びん‐ぷう【便風】

〘名〙

① 都合のよい風。おいかぜ。おいて。順風。

※菅家後集（903頃）読家書「消息寂寥三月余、便風吹著一封書」

※小右記‐寛弘二年（1005）八月二一日「宋人若有_レ申_下待_二便風_一可_二罷帰_一之由_上」 〔揚炯‐梅花落詩〕

② ついで。好便。

※実隆公記‐文明一一年（1479）閏九月一〇日「九州便風在_レ之由物語之間、遣_二彼法師之許_一了」

③ たより。音信。手紙。

※金沢文庫古文書‐（年未詳）（室町前）正月一五日・道均書状（三・一九五七）「便風令_レ啓候之間、捧_二愚札_一候」

④ 基本、また、他のものを応用した風体(ふうてい)。その時に応じた演技上のはからい。世阿彌の用いた語。

※三道（1423）「その能の風によりて、砕動の便風あるべし」

べん‐ぷう【便風】

〘名〙 ⇒びんぷう（便風）

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【便風】べんぷう

順風。

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出典　平凡社「普及版 字通」