朝日日本歴史人物事典 「俊聖」の解説
俊聖
生年:延応1.1.1(1239.2.6)
鎌倉中期の念仏僧。一向上人といわれる。筑後国(福岡県)に生まれ,寛元3(1245)年に播磨国(兵庫県)書写山に登り,天台教学を学ぶ。鎌倉に行き,良 忠の門弟となり浄土教を修学したが,その後,学問を捨てて一処不住の修行の旅に出て,念仏の勧化に専念した。各地を遊行,大隅八幡宮では不断念仏を行ったときに,大菩薩から48本の蓮華によって衆生に結縁すべしとの夢告を受けた。宇佐八幡では踊り念仏を修した。近江国(滋賀県)番場の蓮華寺に留まりそこで没した。俊聖の教団は一向衆と呼ばれて隆盛を極めたが,のちに蓮如の本願寺教団に吸収されていった。<参考文献>『浄土宗本山蓮華寺史料』
(林淳)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報