俗楽(読み)ゾクガク

デジタル大辞泉 「俗楽」の意味・読み・例文・類語

ぞく‐がく【俗楽】

雅楽能楽などに対して、民間に行われる音楽。主として江戸時代以降に発達した三味線音楽箏曲そうきょく民謡流行歌など。

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精選版 日本国語大辞典 「俗楽」の意味・読み・例文・類語

ぞく‐がく【俗楽】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 民衆の間に普及した音楽。普通、声明(しょうみょう)普化尺八(ふけしゃくはち)などの宗教音楽や、謡曲筑紫箏(つくしごと)薩摩琵琶(さつまびわ)など品格を重んじた音楽は含まない。三味線音楽・俗箏曲・民謡・流行歌など。⇔雅楽
    1. [初出の実例]「皆為帝釈楽神。四緊那羅為法楽。四乾闥波為俗楽」(出典法華義疏(7C前)一)
    2. 「柱には虫入(いり)、鋤の柄には虫いらず。俗楽の遊は憂又したがふ」(出典:集義和書(1676頃)三)
  3. 通俗的な音楽。この意味では、俗箏や三味線音楽でも高雅なものは含めない。

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世界大百科事典(旧版)内の俗楽の言及

【調】より

…しかし,実用に移したのは唐代からであり,さらに実際に用いられた調はこれより少ない。 雅楽以外の俗楽では漢代から清商三調(せいしようさんぢよう)(平調,清調,瑟調)や楚調,側調などの調名が用いられていた。唐代の俗楽では,古来の清商三調に基づく調や蘇祇婆七調の一部を交えた13調ないし14調が実用された。…

【朝鮮音楽】より

…さらに宋代の詞楽も伝えられ,中国から入った音楽は,前代からのものと合わせて唐楽と呼んだ。古来の固有の音楽は郷楽と呼ばれ,さらに新しい創作曲も含めて俗楽とも呼んだ。また,宮廷舞踊はチョンジェchongjel(呈才)と呼び,宮廷音楽は,歌謡,舞踊,音楽を含めて,雅楽,唐楽,郷楽に分類した。…

※「俗楽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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