(読み)フ

デジタル大辞泉 「俘」の意味・読み・例文・類語

ふ【俘】[漢字項目]

[音]フ(呉)(漢) [訓]とりこ
いけどりにされた人。捕虜。「俘囚俘虜

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精選版 日本国語大辞典 「俘」の意味・読み・例文・類語

ふ【俘】

  1. 〘 名詞 〙
  2. とりこ。いけどり。俘虜。
    1. [初出の実例]「或は兇人俘〈俘は他国にて人を捕へ此島に登て食ふ〉を送り、此島に放ちしならんと疑ども」(出典:漂荒紀事(1848‐50頃)四)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐荘公六年〕
  3. 主に奈良時代蝦夷(えぞ)のこと。
    1. [初出の実例]「凌圧直進者。俘等懼怨遁走山野」(出典続日本紀‐天平九年(737)四月戊午)

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普及版 字通 「俘」の読み・字形・画数・意味


9画

[字音]
[字訓] とりこ・いけどり・とる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は孚(ふ)。孚は子の上に手を加える形で、俘獲の意。金文に孚人・孚貝・孚金・孚車・孚牛のように、すべて孚を用いる。のち人には俘という。〔説文〕八上に「軍のなり」とし、軍獲の意。卜文・金文には孚を用い、文献には俘を用いる。

[訓義]
1. とりこ、いけどり。
2. ぶんどり、軍の捕獲品。
3. とる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕俘 トル・トリコ・コモル 〔立〕俘 トリコ・トル・エビス・コモル・トラハレビト

[熟語]
・俘獲俘馘・俘級・俘係俘劫俘斬俘執俘醜・俘囚俘翦俘掠俘略・俘虜・俘俘隷
[下接語]
獲俘・馘俘・還俘・帰俘・禽俘・献俘・釈俘・囚俘・執俘・戎俘・生俘・賤俘楚俘

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