修禅尼寺(読み)しゆぜんにじ

日本歴史地名大系 「修禅尼寺」の解説

修禅尼寺
しゆぜんにじ

[現在地名]桃山町最上 小林

最上もがみ廃寺の寺域に建てられたと伝える寺院であるが、のち取休とりやすみ山の麓字小林こばやしに移転、再興された。現在は無住で興山こうざん寺住職が兼帯している。本尊阿弥陀如来。伝えによれば最上廃寺の地は、鳥羽上皇妃美福門院藤原得子が、保元元年(一一五六)鳥羽上皇没後、剃髪のうえ真性と号し、隠棲したときの住居跡といい、尼岡御所あまがおかごしよ跡とも称した。「続風土記」には尼岡について「奥氏の免許地なり、方五十間余の芝原なり、美福門院此地に来り給ひて寺を建て後世の営し給ふ故に尼ケ岡といふ、巽の隅に塔の跡とて真柱を居し礙石今見存す、傍に又礎石あり、其西三間許小高き地あり、経蔵の跡といふ、門院御在世の時紺紙金泥の一切経を書写せしめ、外題は自書せられて此経蔵に納め給ふ、遺告に依りて御滅後仏像は根嶺に蔵め、経蔵は高野山に移す、今壇上荒川経蔵と称する是なり」と記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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