日本大百科全書(ニッポニカ) 「俳句研究」の意味・わかりやすい解説
俳句研究
はいくけんきゅう
最初の総合俳句雑誌。1934年(昭和9)3月創刊。改造社発行。「刊行の言葉」に「真にいい句作を見るため、いい批評に自分等の詩の頭を肥すためにこの雑誌をつくった」とある。歴代の編集者の意欲的な企画によって、定型、非定型、プロレタリア俳句、新興俳句、連作俳句、有季定型、無季定型などに関する論争を盛んに展開した。新興俳句運動転換の時期には、これに対する中村草田男(くさたお)ら「人間探求派」を育てた。1944年6月、当局の弾圧により終刊。同年11月、目黒書店により復刊されるが続かず、戦後の1952年(昭和27)以後は発行所を俳句研究社に、ついで俳句研究新社、富士見書房、角川SSコミュニケーションズに移して刊行されている。
[鷹羽狩行]