僧伽梨(読み)ソウギャリ

精選版 日本国語大辞典 「僧伽梨」の意味・読み・例文・類語

そうぎゃり【僧伽梨】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] saṃghāṭi の音訳大衣と訳す ) 僧の着る三衣(さんえ)一つ。三衣の中で最も大きく、九条ないし二五条の袈裟(けさ)王宮聚落に入るとき着する。大衣。僧伽梨衣。そうかり。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「仏麁布の僧伽梨(ギャリ)の十三条を著し給へり」(出典雑談集(1305)三)
    2. [その他の文献]〔行事鈔‐下・一〕

そうかり【僧伽梨】

  1. 〘 名詞 〙そうぎゃり(僧伽梨)
    1. [初出の実例]「西の方猶たのむかなそうかりの衣を縫へる糸にひかれて」(出典:伊勢大輔集(11C中))

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「僧伽梨」の意味・わかりやすい解説

僧伽梨
そうぎゃり
saṃghāṭī

比丘の三衣の一つで,重衣,大衣と漢訳される。9~25条の袈裟。王宮や町のなかに入って托鉢説法をするときに必ず着用される。

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世界大百科事典(旧版)内の僧伽梨の言及

【袈裟】より

…インドの仏教僧団で,不用になったり,捨てられた長短の布片を縫い合わせて,僧尼の着用すべきものとして制定された3種類の衣(三衣(さんえ))を袈裟と称した(図)。すなわち僧伽梨(そうぎやり),鬱多羅僧(うつたらそう)と安陀会(あんだえ)の三つである。僧伽梨は大衣,重衣ともいわれ正装衣に,鬱多羅僧は上衣として礼仏や説法の聴聞に着用し,安陀会は内衣と称して日常の作業や肌着用に用いられた。…

【三衣一鉢】より

…鬱多羅僧(うつたらそう)),そして時にさらにその上に着るサンガーティsaṃghāṭi(重衣。僧伽梨(そうぎやり))のことで,これらはいずれも形や大きさ,色,縫製法,着用法などが定められていた。三衣を総称して〈袈裟(けさ)〉ともいうが,これはその色にちなんだ名称である。…

※「僧伽梨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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