先登(読み)せんとう

精選版 日本国語大辞典 「先登」の意味・読み・例文・類語

せん‐とう【先登】

〘名〙
① まっさきに敵の城に攻め入ること。一番乗り。さきがけ。先陣
吾妻鏡‐文治五年(1189)七月八日「兵本意者先登也」
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉一〇「備前薩州の兵士等に先へ進まれたる事故這回(こたび)は先登(セントウ)なすべしと思ひ込たる故にやありけん」 〔春秋左伝‐隠公一一年〕
② 先に立って物事を行なうこと。一番先に到着すること。また、先に立ってのぼること。先頭
※詩聖堂百絶(1800)蕈「脆滑新抽三四箇、一声大呼我先登」 〔礼記‐曲礼上〕

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デジタル大辞泉 「先登」の意味・読み・例文・類語

せん‐とう【先登】

まっさきに敵の城に攻め入ること。一番乗り。さきがけ。
這回こたびは―なすべしと」〈染崎延房・近世紀聞〉
いちばん先に行うこと。また、いちばん先に到着すること。
殉死の―はこの人で」〈鴎外阿部一族

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普及版 字通 「先登」の読み・字形・画数・意味

【先登】せんとう

先陣。一番乗り。〔韓非子、内説上〕乃ち令を下して曰く、日且(まさ)に亭を攻めんとす。能く先登するらば、之れを國大夫に仕(もち)ひ、之れに上田上宅を賜はんと。人爭うて之れに趨く。是(ここ)に於て亭を攻め、一にして之れを拔く。

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世界大百科事典(旧版)内の先登の言及

【先懸(先駆)】より

…先登とも書く。中世武士が他にさきがけて敵陣へ攻め入ることをいう。…

【先陣】より

…こうした意味での陣営の称とは別に,先陣の語は単身で敵陣に攻撃する者を指すこともある。その場合,先登(さきがけ)あるいは先懸(駆)ともいった。《平家物語》に見える佐々木高綱と梶原景季との史上名高い〈宇治川の先陣争い〉はその例である。…

※「先登」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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