先馬(読み)サキウマ

デジタル大辞泉 「先馬」の意味・読み・例文・類語

さき‐うま【先馬/前馬】

先導警戒などのために、馬に乗って行列先頭に立つこと。先乗り。
「己れ度々罷まかり行く渡りなり。―つかまつらん」〈今昔・二五・九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「先馬」の意味・読み・例文・類語

さき‐うま【先馬・前馬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 馬に乗って、皇族・貴人などの行列の先頭に立って先導したり警戒したりすること。先駆け。
    1. [初出の実例]「陰陽師、さきむまにていでたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)藤原の君)
  3. 他人より先に馬に乗って行くこと。
    1. [初出の実例]「可哀やお染は先馬(サキウマ)だ。うぬも跡から馬で行く、駒も駅鈴の鈴ケ森」(出典歌舞伎お染久松色読販(大南北全集所収)(1813)二幕)
  4. ある物事をするための手段として利用すること。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「づきが廻ってあの二階で、かれこれするのも面倒と、ふける手筈の先馬(サキウマ)に使って置いて」(出典:歌舞伎・恋闇鵜飼燎(1886)五幕)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「先馬」の読み・字形・画数・意味

【先馬】せんば

前駆。

字通「先」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android