全方位外交(読み)ゼンホウイガイコウ

デジタル大辞泉 「全方位外交」の意味・読み・例文・類語

ぜんほうい‐がいこう〔ゼンハウヰグワイカウ〕【全方位外交】

特定の国とだけ親しい関係を持つのではなく、すべての国と平等な外交関係を保つこと。また比喩的に、外交に限らず全体と均等につきあっていくこと。「市議会与党に偏ることなく全方位外交市政を運営する」

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精選版 日本国語大辞典 「全方位外交」の意味・読み・例文・類語

ぜんほうい‐がいこうゼンハウヰグヮイカウ【全方位外交】

  1. 〘 名詞 〙 体制いかんにかかわらずいずれの国とも友好関係を維持しようとする外交。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「全方位外交」の意味・わかりやすい解説

全方位外交
ぜんほういがいこう

特定の外国との提携にかたよらず,すべての国とほぼ同程度の外交関係を結ぶと同時に,すべての国が潜在的な脅威の源となりうるとの認識のもとに進められる外交。 1967年 12月にフランスの C.アイユレ三軍参謀総長が C.ドゴール大統領の承認を得て国防評論誌に発表した全方位戦略の考え方が起源。米ソ冷戦時代のような両極体制下ではありえない外交のやり方である。国際政治の多極化時代に応じたバランスのとれた外交のあり方として,多くの国が実質的に採用している。日本も福田赴夫内閣の外交方針として掲げられて以来,全方位外交が基本路線となっている。

全方位外交[中国]
ぜんほういがいこう[ちゅうごく]

日本および欧米の先進国に限らず,ソ連東欧諸国および第三世界各国に対し開放政策を実行,世界各国,各地域との経済,貿易,技術,文化の交流・協力関係を拡大し強化する中国の対外開放政策。 1980年代後半から主張されはじめた。当初,中国の対外開放は沿海地域を中心に,日本,アメリカ,西欧諸国をおもな相手国としてきたが,西北,東北,西南地区の対外経済交流・協力が内陸の地域経済発展によって要請された。さらに,ソ連との歴史的な和解ベトナムとの関係改善,東南アジア諸国との外交関係の樹立といった有利な国際状況が生れ,全方位外交を可能にした。

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