兪正燮(読み)ゆせいしょう(英語表記)Yú Zhèng xiè

改訂新版 世界大百科事典 「兪正燮」の意味・わかりやすい解説

兪正燮 (ゆせいしょう)
Yú Zhèng xiè
生没年:1775-1840

中国,清の学者。黟県(いけん)(安徽省)の人。字は理初。道光6年(1826)の郷試で挙人となったが,翌年の会試には落第し進士にはなれなかった。考証学の立場から,経学,史学地理天文宗教などを研究し,《癸巳きし)類稿》《癸巳存稿》各15巻をあらわした。しかし一面,経世致用の学や西洋学術の影響もうけ,〈節婦説〉〈貞女説〉などで伝統的な男尊女卑思想を批判し,封建道徳を否定した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「兪正燮」の意味・わかりやすい解説

兪正燮
ゆせいしょう
Yu Zheng-xie; Yü Chêng-hsieh

[生]乾隆40(1775).10.1.
[没]道光20(1840).5.13.
中国,清の学者。安徽省い県の人。字は理初。兪獻の子。孫星衍 (えん) に認められて文名が揚がり,道光1 (1821) 年挙人となったが,進士には及第せず,研究,著述,教育に生涯をおくった。「実事求是」を重んじる考証学に基づき,史学,地理学にすぐれた研究を行い,また男尊女卑の封建道徳を批判した。『嘉慶い県志』『欽定左伝読本』などの編纂に加わり,その著述のおもなものに『癸巳類稿』『癸巳存稿』がある。

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