八橋蒔絵螺鈿硯箱(読み)ヤツハシマキエラデンスズリバコ

デジタル大辞泉 「八橋蒔絵螺鈿硯箱」の意味・読み・例文・類語

やつはしまきえらでんすずりばこ〔やつはしまきヱラデンすずりばこ〕【八橋蒔絵螺鈿硯箱】

江戸中期の画家尾形光琳代表作ひとつ。木製漆塗の硯箱光琳が好んだ「伊勢物語」の第9段、八橋の場面のモチーフで装飾されている。国宝。東京国立博物館蔵。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「八橋蒔絵螺鈿硯箱」の解説

八橋蒔絵螺鈿硯箱
やつはしまきえらでんすずりばこ

尾形光琳(こうりん)がデザインした蒔絵の代表作。「伊勢物語」第9段,業平(なりひら)東下りの三河国八橋の場面を,金の平蒔絵鉛板螺鈿を交えて描く。物語絵によくある説明的な要素はいっさいなく,主題本質を鋭く追求する文様構成と,装飾材料と大胆な用法が目をひく。光琳蒔絵特質がはっきりと示された名品。縦27.3cm,横19.7cm,高さ14.2cm。東京国立博物館蔵。国宝。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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