八窓庵(読み)ハッソウアン

デジタル大辞泉 「八窓庵」の意味・読み・例文・類語

はっそう‐あん〔ハツサウ‐〕【八窓庵】

北海道札幌市の中島公園内にある茶室小堀遠州の作といわれる。建築年不詳。もと滋賀県の小室城内にあったが、大正8年(1919)に札幌に移築され、昭和46年(1971)に現在の場所に移された。重要文化財

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日本歴史地名大系 「八窓庵」の解説

八窓庵
はつそうあん

[現在地名]中央区北四条西一二丁目

小堀遠州(政一)作とされる茶室。はじめ小堀遠州が小堀家の菩提所である近江浅井あざい郡の孤篷こほう(現滋賀県浅井町)内に建てたという。いわゆる遠州好みで、遠州晩年の作といわれる。その後、近江長浜ながはま八幡宮(現滋賀県長浜市)の社坊俊蔵院や舎那院に移設されたが、大正八年(一九一九)に持田謹也が譲り受け、同一〇年一〇月に持田邸(当時の札幌区北四条西一二丁目)内に移転・復元した。その際、京都の岡田英斎が修理して、水屋と茶室三分庵を付設した。昭和一一年(一九三六)には国宝保存法により国宝に指定されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「八窓庵」の解説

八窓庵

北海道札幌市にある施設江戸時代初期に小堀遠州設計により建てられたとされる。1919年、滋賀県長浜市より移築。国指定重要文化財。

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世界大百科事典(旧版)内の八窓庵の言及

【八窓席】より

…景趣をつくるという視覚的な効果を意図し,一つの壁面に集中的にあけるなどして窓を多くとり入れる態度は千利休の茶室にはみられなかったが,古田織部や遠州たちの作風に顕著な特色であり,この傾向は金森宗和の作風においてさらに強調され,また茶室の新しい時代的傾向に発展した。八つの窓をもつ茶室は八窓軒とか八窓庵と称され,織部や遠州の好みと伝えられるものが多いが,金地院八窓席のように八窓に満たないものも含まれる。代表的な遺構として,札幌市中島公園内の八窓庵(伝遠州好),奈良国立博物館苑内の八窓庵(伝織部好),曼殊院八窓軒(伝不詳),桂離宮松琴亭茶室(伝遠州好)などがある。…

※「八窓庵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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