公信力[ドイツ登記制度](読み)こうしんりょく[ドイツとうきせいど]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

公信力[ドイツ登記制度]
こうしんりょく[ドイツとうきせいど]

ドイツ民法では,土地登記簿に公信力が与えられている。すなわち,土地登記簿の内容が不真実であっても,法律行為によって善意権利を取得した者の利益のために,真実とみなされる (892条I項) 。したがって,Aが真実の所有者であるのに登記簿上Bが所有者となっている場合には,Bから所有権を善意で譲り受けたCは有効に所有権を取得する。CがBを所有者と信じたことで足り,その信頼が登記簿の閲覧によって生じたか否か,またCに重大な過失があったか否かを問わない。他方,真の権利者が第三者善意取得を阻止するためには,登記簿の更正を求めて自己の権利を正当に登記しておくか (894条以下) ,登記簿の真実性についての「異議の登記」をしておかねばならない (892条I項1段但書) 。

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