共進化(読み)きょうしんか(英語表記)coevolution

翻訳|coevolution

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

共進化
きょうしんか
coevolution

生物が他の生物に適応していく過程で,両方の生物がお互いに進化しあうこと。ダーウィンは,花底まで 30センチメートルもあるラッパ型の細長い蘭の花でも,その蜜を吸えるはいるはずだと考えたが,のちにそのような蛾が発見されており,共進化現象に気づいていたと思われる。共進化が極端に進行したものをランナウェイ (脱走) 効果という。

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知恵蔵の解説

共進化

密接な関係をもつ複数の種が、互いに影響を及ぼし合いながら進化すること。捕食者被食者や、寄生者と宿主のように利害の対立する関係の場合、一方が進化すると他方がそれに対抗する進化をとげるという軍拡競争の形で共進化が進む。例えば被食者が擬態や毒を発達させるのに応じて、捕食者は識別能力や解毒能力を進化させる。訪花昆虫と花のように共生的な関係では、例えば、ランの花が細長くなるにつれて、その蜜を吸うガの口器が伸びるといった、相互適応的な進化が起こる。

(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

大辞林 第三版の解説

きょうしんか【共進化】

二つの異種の個体群が相互に関係しあって、ともに進化する現象。虫媒花の花の構造と受粉昆虫の口器の形態の変化の関係など。相互進化。

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世界大百科事典内の共進化の言及

【虫媒花】より

…また,花の各部分の構造が訪花昆虫の形態と関連のある場合が多く,両者の関係が指摘されることがあるが,形態学的な変形が実証的に示されたことはまだない。 花と昆虫の関係については古くからいろいろの観察があり,両者が互いに関係し合いながら進化してきたとみなされる例も多い(共進化co‐evolution)。イヌビワとイヌビワコバチの例などはその典型で,いつごろからか,この両者は離れられない関係になっており,単に虫媒花と訪花昆虫という以上に,両者が依存し合って生活している。…

【ラン(蘭)】より

…また,まとめられた少数の花粉塊を損失する危険性をなるべく減少させるため,ランの花は特定の動物(おもに昆虫)の特定の部位に花粉塊を付着させるさまざまのくふうを進化させてきた。ランの特定の種の花形と昆虫の吸蜜行動の適合性は著しいものがあり,共進化coevolutionの代表例とされていることがある。なかには昆虫の雌の形や発散するにおいを擬した花を有し,雄に交尾行動を引きおこさせ花粉塊を運搬させるほど特殊化した種類も知られている。…

※「共進化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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