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兵器貿易 へいきぼうえきarms trade

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

兵器貿易
へいきぼうえき
arms trade

国際間における兵器の売買または譲渡をいう。第2次世界大戦以前にも兵器の貿易は存在したが,政治的な意味はなく,比較的小規模であった。ほとんど唯一の例外は,19世紀末から 20世紀初頭にかけての 10年間にイギリスより第一級の軍艦を購入し,世界有数の艦隊を建設した旧日本海軍である。日本海軍は当時世界第3位のロシア艦隊を全滅させた。第2次世界大戦後,集団安全保障体制の普及と非植民地化 (独立の達成) によって,兵器の拡散が一般化するにいたった。最近になって国際間の兵器貿易は軍事的,政治的および経済的な重要性を増すようになった。その理由の第1は発展途上国への急速な兵器譲渡,第2は進歩した高度の技術による兵器体系の売買,第3は国産兵器の開発と生産の増加,第4は通常兵器の拡散によって核兵器の不拡散を助長する軍事技術の進歩である。その結果,弱小国の軍事的生存能力と政治的自立を助長する性格をもつようになった。原油価格の急騰は中東産油諸国,特にサウジアラビア,イラン,イラクにおける兵器購入意欲とこれに対する売込みを活発化させ,84年には世界の兵器貿易はピークに達し 728億ドルを数えた。兵器貿易は,イスラエル,アラブ関係のように場合によっては国際間の緊張を高め,しばしば戦争勃発の直接原因ともなっている。国内的あるいは国際的になんらかの規制が必要であると考えられ,とりわけ湾岸戦争の結果,兵器貿易を規制しようとする声が高まっているが,購入側は自国の存亡にかかわり,売込み側は政治的影響力を行使することを意図し,実現は困難視されている。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

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