内江(読み)ないこう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「内江」の意味・わかりやすい解説

内江
ないこう / ネイチヤン

中国、四川(しせん)省中南部の地級市。揚子江(ようすこう)支流沱江(だこう)下流に位置する。2市轄区、資中(しちゅう)など2県を管轄し、1県級市の管轄代行を行う(2017年4月時点)。人口426万(2014)。隋(ずい)代に内江県が置かれ、1951年県城地区を分離して市が設置された。成渝(せいゆ)線(成都―重慶(じゅうけい))、成昆線の両鉄道と自動車道が交差する地であるとともに、沱江水運の交通要地でもある。周辺のサトウキビによる製糖工業も発展し、「糖都(とうと)」「甜城(てんじょう)」の呼称がある。そのほか、機械、化学、製糸などの工業もみられ、南西の自貢(じこう)の塩の集散地でもある。「川中第一禅林」と称される唐代創建の聖水寺や、甜城湖などの名勝旧跡がある。

[小野菊雄・編集部 2017年8月21日]

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改訂新版 世界大百科事典 「内江」の意味・わかりやすい解説

内江 (ないこう)
Nèi jiāng

中国,四川省南東部の市。人口139万(2000)。漢代に資中県がおかれ,北周には中江県,隋代に初めて内江県となった。この地が内水すなわち沱江の流域にあることから名づけられた。サトウキビ栽培がさかんで製糖業が発達しており,〈甜城(てんじよう)〉ともいわれる。明の宋応星の《天工開物》には,サトウキビから砂糖をとる方法は唐の大暦年間に西域僧鄒(そうすう)和尚によって四川に伝えられたとある。
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