円同寺(読み)えんどうじ

日本歴史地名大系 「円同寺」の解説

円同寺
えんどうじ

[現在地名]中山町長崎

長崎ながさき地区の中央にある。太虚山と号し、曹洞宗本尊釈迦如来。文安元年(一四四四)長崎城三代城主中山式部少輔宗朝による創建といい、開山高玉瑞龍たかだまずいりゆう(現西置賜郡白鷹町)二世実庵祥参の弟子九皐宥鶴と伝える。当寺旧蔵の嘉吉三年(一四四三)八月七日銘の古鐘(現山形市清源寺蔵)に「香樹山円同寺住持陽山和尚出羽国最上懸山辺沼尾郷」とみえ、当初は香樹山と号していた。また当時は長崎城の北西玄蕃壇げんばだんの地にあったが、元禄(一六八八―一七〇四)頃より最上川による川欠けが起こり、享保一二年(一七二七)小野利右衛門昌乗の寄進により現在地に移り、現山号に改めた。当寺一五世可得元志の著した校割帳(寺蔵)によれば、開山から九世までの約一四〇年間は中山氏の菩提寺として栄え、この間、末寺として出羽雲厳うんげん(現秋田県仙北郡角館町)柳沢柳沢やなぎさわりゆうたく寺・土橋玉昌つちはしぎよくしよう寺、徳昌とくしよう(現西村山郡大江町)柳沼りゆうしよう(現廃寺)の五ヵ寺が建てられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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