円融三諦(読み)エンユウサンタイ

デジタル大辞泉 「円融三諦」の意味・読み・例文・類語

えんゆう‐さんたい〔ヱンユウ‐〕【円融三諦】

天台宗で、空・・中の三諦は独立した真理ではなく、それぞれが他の二諦を含んで三者相互にとけ合っていること。

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精選版 日本国語大辞典 「円融三諦」の意味・読み・例文・類語

えんゆう‐さんたいヱンユウ‥【円融三諦】

  1. 〘 名詞 〙 仏語天台宗で説く教え。空・仮・中の三諦は、それぞれの一諦に三諦を具えて、相互に完全に融けあっていて即空・即仮・即中とする。これに対し、この三諦をそれぞれ独立した真理と捉えるときは、これを隔歴三諦(きゃくりゃくさんたい)という。円融の三諦。〔止観義例‐上〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「円融三諦」の意味・わかりやすい解説

円融三諦
えんにゅうさんたい

仏教用語。完全にとけあっている三諦 (3つの真理,3つの見方) 。隔歴 (きゃくりゃく) 三諦に対する言葉。空,仮,中の三諦は天台宗において展開され受継がれてきた独自の思想で,円融三諦とは,働きに応じて三諦の区別はあるが,その本体は一つで三者が互いに円満し合い融通し合って一諦がそのままただちに他の二諦であるという意味。さらに一念の心がそのまま円融三諦であることを観じる天台宗の観法を円融三観あるいは一心三観という。

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百科事典マイペディア 「円融三諦」の意味・わかりやすい解説

円融三諦【えんにゅうさんだい】

天台の十乗の観法。空・仮・中(一心三観)の三諦をそれぞれ独立の真理(隔歴(きゃくりゃく)三諦)とみるのでなく,一諦のうちに他の二諦をそなえ,差別なく3者が融合していること。

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