再生可能エネルギー法(読み)さいせいかのうえねるぎーほう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「再生可能エネルギー法」の意味・わかりやすい解説

再生可能エネルギー法
さいせいかのうえねるぎーほう

風力や太陽光などの再生可能エネルギーでつくった電気すべてを一定期間電力会社に固定価格で買い取るよう義務づける法律。正式名称は、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(平成23年法律第108号)で、2012年(平成24)7月に施行された。東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、再生可能エネルギーによる発電の普及と価格低下を後押しするねらいがある。電力会社の買取費用は通常の電気料金に上乗せした全国一律の賦課金(サーチャージ)でまかなうため、電気を大量に使う産業や一般消費者の負担増につながる面もある。ドイツなどが導入している電気の固定価格買取制度FIT)にならって、日本版フィードインタリフ法ともよばれる。日本政府は同法施行で、2030年に再生可能エネルギーの総発電量に占める割合を22~24%に伸ばす目標を掲げている。

 日本の買取制度の対象は風力、太陽光、水力(3万キロワット未満の中小規模)、地熱バイオマス生物資源燃焼)でおこした電気である。すでに買取制度のある住宅用太陽光発電についても、再生可能エネルギー法に新たに規定し、現行の余剰電力を買い取る制度を継続する。買い取ってもらうには経済産業大臣認定が必要とされている。買取価格や期間は、第三者機関「調達価格等算定委員会」(委員5人)の議論に基づき、経済産業大臣が毎年決め、半年ごとに見直すことができる。また、電気の「安定供給に支障が出る場合」には、電力会社は買取りを拒否できる。

[編集部 2016年2月17日]

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