風力や太陽光発電など、資源が枯渇しない発電方式の総称。近年、大規模化と低コスト化が進む。地球温暖化対策、脱炭素社会実現の切り札とされ、各国で開発が盛んになっている。自社のエネルギーを全て再生可能エネルギーで賄う目標を掲げる大企業も相次いでいる。日本でも拡大傾向にあるが、発電量に占める比率も、国の目標も欧州諸国などに比べて小さい。一方で、森林を伐採して大規模な太陽光発電所が建設される例もあり、反対運動も起こっている。
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自然の営みによってエネルギー源が絶えず供給され、継続して利用できるエネルギーのこと。石油、天然ガス、石炭等の化石燃料のように資源が有限で、一度燃焼すると追加の供給を人為的に確保する必要があるエネルギーとは異なる。太陽光、太陽熱、風力、地熱、バイオマス、水力、波力、潮力、雪氷熱、海洋温度差熱など、多様な種類がある。
再生可能エネルギーは、基本的に国産エネルギーであるため、エネルギー自給率の向上に役だち、エネルギー安全保障に貢献する。また、分散型のエネルギーであるため、開発途上国などでの未電化地域での電力供給や、防災対策で有用な役割を果たすことなども期待されている。さらに、再生可能エネルギーは二酸化炭素を排出しないことから、気候変動対策の面でも重要視されるようになっている。
従来、再生可能エネルギーは発電コストなど供給コストが高かったため普及が進まなかったが、上記のメリットを生かすために各国政府が再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)などの各種支援を行ったことから、急速に普及が進んでいる。また、利用が進むなかで発電コストが大きく低下し競争力を増したことも、普及をさらに加速化した。イギリスBP社の統計によると、世界の再生可能エネルギーの消費量は、2010年の9.63エクサジュール(10の18乗ジュール、EJ)から2020年には31.71EJへと3倍以上に増加し、世界の一次エネルギー消費の約6%を占めるに至っている。
さまざまなメリットをもつ再生可能エネルギーだが、自然由来のエネルギーであるため、太陽光発電や風力発電の場合、日照や風況の状況次第で供給が不安定になるという課題を有する。また、自然条件に左右されるため、再生可能エネルギー資源に恵まれる国・地域とそうでない国・地域では、普及に大きな差が生ずることもある。
[小山 堅 2022年1月21日]
自然条件で供給が不安定になる太陽光発電や風力発電の普及が拡大し、その割合が増えると、安定供給対策が重要になる。そのためには、蓄電システムを備えたり、火力発電で調整したり、電力網を拡充して、自然由来で発生する余剰や不足の電力を他地域と調整したりする、などの対策が必要になる。これらはいずれも技術的には可能だが、その対応には追加的コストがかかる。これらは、供給が不安定な再生可能エネルギーを電力システムに統合して安定供給を図るための統合コストともいわれる。自然条件次第で変動する再生可能エネルギーの割合が高まるほど、統合コストも上昇する。発電コストそのものは大きく低下してきた再生可能エネルギーであるが、全体として、統合コストも勘案して経済性や競争力を検討する必要もある。
[小山 堅 2022年1月21日]
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(飯田哲也 環境エネルギー政策研究所所長 / 2007年)
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