冴え(読み)サエ

デジタル大辞泉 「冴え」の意味・読み・例文・類語

さえ【×冴え/×冱え】

寒気・光・色・音などが澄みきること。「月光の―」
頭脳の働きや感覚が鋭いこと。技術などが鮮やかなこと。「勘の―」「包丁さばきの―」
江戸時代遊里で、遊興のこと。また、酒宴
「あらゆる―を尽くしけり」〈黄・栄花夢

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精選版 日本国語大辞典 「冴え」の意味・読み・例文・類語

さえ【冴・冱】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「さえる(冴)」の連用形の名詞化 )
  2. 澄みきること。光、色、光沢、寒気などのすんでとおること。特に寒冷感を伴って季語として用いられる。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「うきねせし水の上のみ恋しくて鴨の上毛にさえぞおとらぬ」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一一月)
  3. 頭の働きや技術などが、あざやかですぐれていること。あざやかさ。
    1. [初出の実例]「似声(こはいろ)身ぶり舞雲雀より冱(サヘ)の有末社一人」(出典洒落本・禁現大福帳(1755)五)
  4. 江戸時代の遊里語で、興が増すこと。また、座敷での遊興。酒宴。
    1. [初出の実例]「『もし七兵衛さん、誰ぞお呼なんし』『今夜は、さへ一と通りにしやう』『さへ一と通りの名方』」(出典:洒落本・辰巳之園(1770))

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