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冷たい暗黒物質 ツメタイアンコクブッシツ

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デジタル大辞泉の解説

つめたい‐あんこくぶっしつ【冷たい暗黒物質】

宇宙の大半の質量を占めていると考えられる暗黒物質の存在形式の一。質量エネルギーに比べ運動エネルギーが小さく、宇宙の構造形成の鍵となる密度ゆらぎを成長させる働きをもつ。銀河分布の観測から明らかになった宇宙の大規模構造に大きく関与すると考えられている。冷暗黒物質コールドダークマターCDM(cold dark matter)。⇔熱い暗黒物質

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

冷たい暗黒物質
つめたいあんこくぶっしつ

宇宙に多量に存在すると考えられている暗黒物質ダークマター)の一種。英語ではCold Dark Matter、CDMと略称する。冷たい暗黒物質の「冷たい」とは暗黒物質粒子の速度が遅い(温度が低い、重たい)ことを意味する。暗黒物質として想定されるものとして、まず既知の素粒子ニュートリノが候補になった。ニュートリノは速度が速く「熱い暗黒物質」とよばれるものの代表である。ニュートリノはほとんど物質との相互作用もなく、また中性なので電磁相互作用もない(光を出さない)ことから、質量が「ゼロ」と考えられていた。このニュートリノが質量をもてば、暗黒物質として適当であるとみられていた。そしてスーパーカミオカンデなどの実験でニュートリノに質量がありそうなことがはっきりしたが、その質量はかなり小さいことが判明しつつある。また宇宙の大規模構造形成のシミュレーションからニュートリノが暗黒物質だとすると、初期の宇宙の「ゆらぎ」をならしてしまい(速度の速いニュートリノが相互作用して「ゆらぎ」を平均化してしまう)、大規模構造が形成できないことが判明し、暗黒物質の本命はニュートリノのような「熱い暗黒物質」ではなく「冷たい暗黒物質」であろうと考えられるようになった。しかしその正体は依然不明でアクシオン、ニュートラリーノなどの未発見粒子が考えられていて、XMASS(エックスマス)などによる直接検出やLHC(大型加速器)などでの生成探索が続いている。[編集部]

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