遅い(読み)オソイ

デジタル大辞泉 「遅い」の意味・読み・例文・類語

おそ・い【遅い/鈍い】

[形][文]おそ・し[ク]
物事の進む度合いが小さい。動作・進行などに時間がかかる。のろい。「列車の進み方が―・い」「仕事が―・い」「進歩が―・い」「物わかりが―・い」⇔速い
(「晩い」とも書く)ある基準より、かなり時がたっている。時期が遅れている。「―・い朝食をとる」「もう―・いから寝よう」「今年は花が―・い」⇔早い
時機に遅れている。間に合わない。「悔やんでももう―・い」
[派生]おそさ[名]
[類語](1のろいのろくさいまだるいまだるっこいとろい緩慢緩徐遅緩スロースローモーだらだらのろま鈍重ちんたらぐずぐずもたもたのっそり(動きの遅いようすを表す語)遅遅ちちのろのろそろそろゆっくりもたもたぼやぼやのさのさのそのそとぼとぼのこのこのそりのっしのっしのしのしどんとろとろぼちぼちぼつぼつぽつぽつ徐徐徐徐にじわじわじわりじわりじりじりのたりのたりのたりそろりゆるゆるのんびりのらくらゆったり悠然悠悠もさくさもさっともさもさ便便だらり便便のんべんだらりずぼらものぐさぐうたらだらしないしだらないぬらりくらりのらりくらりぬらくらちゃらんぽらん無精ルーズぶらぶらごろごろ無気力だらけるのほほん風太郎ぷうたろうその日暮らしふしだら自堕落ずるける怠ける手を抜く手抜き骨惜しみ投げ遣りレイジー怠慢怠惰無為拱手きょうしゅ横着怠るサボるイージーイージーゴーイング風の吹くまま気の向くまま油を売るまったり漫然たるむぬるま湯ぬるま湯につかる/(3手遅れあとの祭り生まれた後の早め薬証文の出し後れ争い果ててのちぎり木喧嘩けんか過ぎての棒ちぎり十日の菊六日の菖蒲あやめに合わぬ花夏炉冬扇かろとうせん寒に帷子かたびら土用に布子

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精選版 日本国語大辞典 「遅い」の意味・読み・例文・類語

おそ・い【遅・鈍】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]おそ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. [ 一 ] 物事の速度進度が滞りがちなさまを表わす。⇔はやい
    1. 動作や作用に時間がかかる。速度がゆるやかである。のろい。⇔疾(と)し
      1. [初出の実例]「爰に百足、馬に乗りて緩(オソク)来たり」(出典日本書紀(720)天武元年六月(北野本訓))
    2. 頭や心の働きがにぶい。巡りが悪い。愚かだ。鈍(おぞ)い。⇔鋭(と)し
      1. [初出の実例]「山代(やましろ)石田(いはた)の杜(もり)に心鈍(おそく)手向(たむけ)したれや妹に逢ひ難き」(出典:万葉集(8C後)一二・二八五六)
  3. [ 二 ] ある時間帯の後の方であるさまを表わす。⇔はやい
    1. 時がたっている。夜が更けていることをいう場合が多い。
      1. [初出の実例]「群卿百寮早く朝(まゐ)り、晏(オソク)退(まか)でよ」(出典:日本書紀(720)推古一二年四月(図書寮本訓))
    2. 適当な時間を過ぎている。時機に遅れている。間に合わない。手遅れだ。
      1. [初出の実例]「吾(あ)が夫君尊(なせのみこと)、何(なぞ)(ヲソク)(いでま)しつる。吾已に湌泉之竈(よもつへぐひ)せり」(出典:日本書紀(720)神代上(水戸本訓))
  4. [ 三 ] ( [ 一 ]から ) 「…おそしと」などの形で、「…を待ちかねて」「…するや否や」の意味を表わす。
    1. [初出の実例]「いとどとく車より降り給ふやおそきと、北の方『あこぎ』とて呼びののしり給へば」(出典:落窪物語(10C後)一)

遅いの語誌

( 1 )この語の対義語には「はやし」と「とし」の二語があったが、「とし」は多義性(疾・利・敏・鋭)の語であったので別の意に重点が移り、「疾し」の意では「はやい」一語に統合された。現在では速度の意、時間的経過の後になる意ともに対義語は「はやい」である。
( 2 )[ 一 ]の強調形に「おぞい(鈍)」が生ずる。

遅いの派生語

おそ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

遅いの派生語

おそ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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