地下のマグマに含まれていた水で、火山爆発や温泉活動などによって初めて地表付近に現れ、新たに水循環に加わったもの。初生水ともいう。かつては温泉水の大部分は処女水であると考えられていたが、酸素18や二重水素を用いる同位体技術の進歩によって、処女水と循環水との区別が可能になり、温泉水の大部分は雨水で涵養(かんよう)された循環水であることが知られている。毎年水循環に付加される処女水の量の見積りは研究者によって著しく異なるが、その値は地球上に現存する水の総量に比べると無視しうるほど小さく、100万年程度の期間を考える場合には、地球上の水の総量は一定不変であると考えてもよい。1980年代以降、処女水という用語は使われないようになった。
[榧根 勇]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…
[温泉水の起源]
地下深部から上昇してくる温泉には地表の水と違う性質,成分が含まれていると期待され,古くから温泉の成因について次のような説が出されている。(1)処女水説 マグマには数%程度の水が含まれている。マグマが冷却固結すると大部分の水は液相として分離される。…
…地中にあって大気圧以上の圧力をもち,井戸やトンネルの中へ,あるいは泉となって地表へ自然にしみ出すことのできる水を地下水という。陸水のうち河川や湖沼などの地表水に対し,地下に分布する水をさすが,普通は地下深所のマグマに由来する処女水と,土粒子の表面をおおっている吸着水や,粒子の間に不飽和の状態で存在する毛管水,さらに重力に従って深部に下って行く重力水などの土壌水は区別する。土壌水は大気圧以上の圧力をもっていない。…
※「処女水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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