水
みず
water
化学的には酸素と水素の化合物で,無色,無臭,無味の液体。天然には海水,湖水,河川水,井水,温泉水,雨,雪,氷,水蒸気などとして多量に存在する。融点0℃,沸点 100℃。化学式は H2O で表わされる。比重 1.000000 (4.08℃) 。融点,沸点,気化熱などの値は硫黄,セレンなど酸素の同族体の水素化合物に比し著しく大きい。比熱,潜熱も大きく,表面張力は水銀に次いで大きい。これらは水の分子が強い極性をもつので,分子間に強い水素結合が生じ,水分子の会合が起って擬結晶構造をとることが原因とされている。イオン性物質に対する良好な溶媒である。水は生命の維持に不可欠の物質であるが,間接的にも食糧 (農水産物) の生産,気候の調節,自然界における輪廻に基づくエネルギーの蓄積などを通して人間の生活を支えている。
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すい【水】
1 水曜日。
2 砂糖・蜜(みつ)を入れただけの氷水。みぞれ。
3 仏教で、四大の一。みず。「地水火風」
4 五行(ごぎょう)の第五。方位では北、季節では冬、五星では水星、十干では壬(みずのえ)・癸(みずのと)に配する。
み【▽水】
みず。他の語と複合した形で用いられる。「垂水(たるみ)」「水草」「水漬(づ)く」
もい〔もひ〕【▽水】
《椀(もい)に入れるものの意から》飲み水。飲料水。
「淡道島の寒泉(しみづ)をくみて、大御―献(たてまつ)りき」〈記・下〉
みず【水】[絵画]
《原題、〈イタリア〉L'Acqua》アルチンボルドの絵画。板に油彩。縦67センチ、横51センチ。「四大元素」と総称される寄せ絵の連作の一。さまざまな魚介類で構成される。ウィーン、美術史美術館所蔵。
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水【みず】
化学式はH2O。酸素と水素との化合物で,常温では無色無臭の液体。1気圧での融点0.00℃,沸点100.00℃。3.98℃で密度最大(0.999973g/cm3)。固体の水は氷,気体の水は水蒸気という。前7世紀にギリシアのタレスは万物の根源は水であるとし,以後長い間水は元素の一つであると考えられてきたが,1784年H.キャベンディシュが水素を空気中で爆発させると水ができることを発見,のちラボアジエによって水素と酸素の化合物であることが明らかにされた。水分子は二等辺三角形状の構造をもち,気体分子での酸素原子と水素原子の結合距離(O−H)は0.958オングストローム,結合角(∠HOH)は104°。比熱はあらゆる液体中液体水素に次いで大きい(水素結合の存在による)。きわめてよい溶媒で多くのものをよく溶かす。純粋な水では電導性はほとんどなく,わずかにH3O(+/)とOH(-/)に電離。アルカリ金属,アルカリ土類金属などと反応して水素を発生,ハロゲンと反応してそれぞれの酸となり,金属の酸化物,非金属の酸化物を溶かしてそれぞれ水酸化物,酸素酸をつくる。地球上に海水,河川水,湖沼水,地下水などのほか,極地や高山では大陸氷,大気中では水蒸気などの形で存在し,また岩石,鉱物,土壌,生物体などに結晶水その他の形で含まれる。これらの水は蒸発,蒸散,凝縮,流動などの過程を通して自然界を循環し,これらのうち約98%は海水で占められる。純粋な水を得るには蒸留法,イオン交換法などによるのが普通。→工業用水/硬水/重水/軟水/水資源
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水
五行の一つ。水を象徴とし、陽の水「壬水」と陰の水「癸水」がある。水だけではなく、河川や海、雨、全ての液体を指す。季節では冬、方角では北をあらわす。
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みず【水 water】
水はわれわれが目にする最もありふれた液体であるが,人間生活にとって欠くことのできない物質である。地球に生物が存在するのも水があるからで,今から46億年ほど前に地球が誕生し,内部から出てきたガスで大気が形成され,それに含まれていた水蒸気が冷却して水になったと考えられている。現在,地球上には海に大量の水があるが,地球の誕生後5億年ほどでそのほとんどの量が形成されたとする説と徐々に増加して現在の量になったとする説があり,前者が有力視されている。
みず【水】
中世の声楽の曲名。《綾小路俊量卿記(あやのこうじとしかずきようのき)》(永正11年(1514)奥書)に,〈水猿曲(みずのえんきよく) 或号水白拍子(みずのしらびようし)〉の題で曲譜が所収される。他本にはない唯一の曲で,今様(いまよう)から早歌(そうが)への過渡的声曲と思われる。上記の書は,1383年(永徳3)と1430年(永享2)の五節(ごせち)の式例を記すものだが,《梁塵秘抄口伝集》巻十四の仁安1年(1166)11月の六条天皇即位の記事の個所に,〈乱舞して水白拍子唱てかへりぬ〉とあることから,すでに院政期にも歌われていたことがわかる。
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すい【水】
① 五行ごぎようの第五。季節では冬、方位では北、色では黒、十干では壬みずのえ・癸みずのと、五星では水星に当てる。
③ 漢方で、体内の水分のこと。気・血けつとならび、人体の働きを保つ三つの要素とされる。 → 気 ・血
み【水】
みず。「汀みぎわ」「源みなもと」「垂水たるみ」など他の語と複合した形でみられる。
みず【水】
① 水素と酸素とから成る化合物。化学式 H2O 常温で無色透明・無味無臭の液体で物をよく溶かす。融点摂氏0度。沸点摂氏100度。密度は摂氏4度で最大となり1g/cm3 比熱1cal/g・K 地球上に広く分布し、海・湖沼・河川・氷雪として地表面の約4分の3をおおい、太陽エネルギーと重力の作用を受けて気体(水蒸気)・液体・固体と状態を変えながら、気圏・水圏・岩石圏の三圏にわたって絶えず循環し、さまざまの気象を現し、地表の改変などを行う。また、生物体の構成成分として普通60~90パーセント(人体では体重の約70パーセント)を占め、細胞内では各種の生体物質の溶媒としてのみならず、反応物質として生体内の反応に直接かかわるなど、生命の維持に本質的に重要な役割を果たす。飲用のほか、溶解・洗浄・冷却・発電、あるいは、宗教上の儀礼など、人間の日常生活や産業などのあらゆる局面において利用される。 「 -を飲む」 「 -が流れる」 「 -を浴びる」 「 -をまく」
③ 液状のもの。 「関節に-がたまる」 「 -飴」
④ (湯に対して)温度の高くない水。 「 -で冷やす」 「 -風呂」
もい【水】
〔「 盌
もい 」に入れるものの意から
〕 飲み水。飲料水。 「御み-も寒し御秣みまくさもよし/催馬楽」
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すい【水】
〘名〙
① みず。酸素と水素の化合物。雨・海・川・泉などをなす液体。
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)二「ただし、水(スイ)(〈注〉ミツ)・草をのみおもひて、余はしるところなけん」 〔周礼‐天官・漿人〕
② 仏語。四大(地・水・火・風)の一つ。また五大(空を加える)・六大(空・識を加える)の一つ。
※正法眼蔵(1231‐53)別輯「四大とは地水火風なり、五蘊とは色受想行識なり」 〔中阿含経‐七〕
③ 五行(ごぎょう)の一つ。季節では冬、方位では北、色では黒、天体の五星では水星にあたる。
※神皇正統記(1339‐43)上「此神に木・火・土・金・水の五行の徳まします」 〔書経‐洪範〕
④ 陰陽道で、
七曜の一つ。また、七曜を一週間に配したものの四番目「
水曜」の
略。
※拾芥抄(13‐14C)下「水金曜次吉〈略〉或云羅〈不動明王〉・土〈
聖観音〉・水(彌勒)」
※森鴎外日記‐明治三一年(1898)「一月五日(水)終日陰れり」
⑤ 氷水のこと。また、特に、
糖蜜をかけただけで、果汁シロップやあんなどを用いないもの。
みぞれ。
※変痴気論(1971)〈山本夏彦〉氷水「氷屋では、氷水をこおり
すいと読む。略してただ『すい』という」
み【水】
〘名〙 水(みず)。多く他の語と熟して用いる。「いずみ(泉)」「たるみ(垂水)」「みくさ(水草)」「みお(澪)」「みづく(水漬)」「みなそこ(水底)」「みなと(水門)」「みなわ(水泡)」など。
みず みづ【水】
〘名〙
① 自然界に広く分布する液体で、海水となって地表面積の七三パーセントを覆い、水蒸気となって大気中に拡散し、水滴となって雲や霧などを生じ、雨や雪などとなって地表に降り、川となって流れ、溜まって池や湖沼となる。動植物の主要構成要素で、
人体の約七〇パーセントを占める。通常、液状で自然の温度のものをいい、沸かしたものは「湯」という。生命の維持や生活に必要不可欠である。化学的には、酸素と水素の化合物。化学式 H
2O 常温では無色無臭の透明な液体。一気圧では、摂氏四度で密度が最大になり、摂氏零度以下で氷に、摂氏一〇〇度以上で水蒸気になる。溶解力が大きく、最も重要な溶媒。
※古事記(712)中・歌謡「美豆(ミヅ)溜る 依綱(よさみ)の池の 堰杙(ゐぐひ)打ちが」
※源氏(1001‐14頃)夕顔「川のみづに手を洗ひて清水の観音を念じ」
② ①のうち、特に他と区別していう。
(イ) 川に流れているもの。また、その流れ。
※蜻蛉(974頃)中「いづみ河、水まさりたり」
(ロ) 庭の、水を見せるしつらえ。池、やり水など。
※源氏(1001‐14頃)帚木「水の心ばへなど、さる方にをかしくしなしたり」
(ハ) 閼伽
(あか)として供えるもの。また、手向けとするもの。→
水を向ける。
(ニ) 大坂堂島で、その日の米相場終了の直前に仲買人たちを立ち去らせるためにまくもの。また、それをまくことや、その役。〔浜方定式留(1756)〕
(ホ) 相撲で、力水(ちからみず)をいう。
③ 洪水(こうずい)。出水。
※俳諧・続虚栗(1687)秋「起あがる菊ほのか也水のあと〈芭蕉〉」
④ 液状のもの。
(イ) 体液や液汁。
※南小泉村(1907‐09)〈真山青果〉七「まだ滲出液(ミヅ)を取る気になれないかと聞けば」
(ロ) 特に、精液をいう。腎水。
※浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)二「あたら水(ミヅ)をへらして。おもひながらの日照也」
⑤ 水泳。
※歌舞伎・日月星享和政談(延命院)(1878)二幕「身を投げしか。〈略〉助けたいにも、水(ミズ)は知らず」
※相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉常陸、梅時代から太刀、駒時代へ「再び手車となって睨み合ふ中、水となり、後また駒烈しく突立てたが、利かない」
⑦ 建築で、水平、または水平をあらわす線。陸水(ろくみず)。垂直線は竪水(たてみず)という。
[語誌]上代には、水を指す語としてはミヅのほかにミも用いられた。しかし、ミヅが挙例のように単独でも用いられたのに対し、ミは「たるみ(
垂水)」や「みなそこ(
水底)」などのように、複合語に見られるのみである。
もい もひ【水】
〘名〙 (「もい(椀)」に入れるものの意から) 飲み水。飲料水。
※催馬楽(7C後‐8C)飛鳥井「飛鳥井に宿りはすべし や おけ 蔭もよし み毛比
(モヒ)も寒し 御秣
(みまくさ)もよし」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
水
ミズ
water
H2O(18.02).無色,無味,無臭の液体.融点0 ℃,沸点100 ℃(1 atm).三重点273.16 K.臨界温度373.99 ℃.臨界圧217.6 atm.密度は3.98 ℃ で最大0.999973 g cm-3.蒸発熱2255.3 J g-1(100 ℃).融解熱332.2 J g-1(0 ℃).モル沸点上昇0.52 ℃.モル凝固点降下1.86 ℃.熱容量75.15 J K-1 mol-1.
1.333.表面張力72.75(単位 10-3 N m-1,20 ℃).比抵抗2.5×107 Ω cm.比誘電率78.3(25 ℃).原子間距離O-H0.09572 nm.∠H-O-H104.52°.精製は蒸留法,イオン交換樹脂法などにより行われる.水は一部 H+ とOH- に解離しており,イオン積[H+][OH-] = Kw は25 ℃ で1.008×10-14 mol2 L-2 である.周期表における酸素のまわりの元素の水素化物に比べて,水はとくに沸点,融点が高く,また表面張力,最大密度,その他の点でも特異である.これは水素結合による水分子の会合のためである.水はイオン性化合物をよく溶かしてナトリウム,カリウム,カルシウムのような金属と常温で反応し,水素を発生して酸化物または水酸化物を生成する.多くの金属の酸化物および非金属の酸化物と反応して,それぞれの水酸化物および酸素酸を生じる.弱酸および弱塩基の塩を加水分解して,それぞれ塩基性または酸性を示す.また,非金属ハロゲン化物,エステルなども加水分解する.[CAS 7732-18-5]
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世界大百科事典内の水の言及
【四大】より
…仏教で説く物質の構成要素のことで,地,水,火,風の4種をさす。〈大〉または〈大種〉はサンスクリットmahā‐bhūtaの漢訳語である。…
【タレス】より
…彼の思考のうちに,神話的思考からの脱却,ただ理性によってのみ世界を理解しようとする合理的思考の始まりを認めたからである。タレスは,超自然的な神々の名を持ち出すことなく,自然のうちに遍在し,われわれが日常経験する〈水〉によって万有の生成変化と構造の在り方を説明しようとした。すなわち,水から万有は成立し,また水へと還っていくとし,この意味で水は永遠であり(したがって神的でもある),万有の構成素であると考えた。…
【浜降り】より
…海浜や河辺に行ってみそぎをすることをいう。水には一般にいっさいの罪や穢(けがれ)を洗い流す浄化力があると考えられ,とくに塩を含有した潮水は強い浄化力をもつとされた。祭りや神事を前に神官などの祭りの奉仕者が浜降りをしたり,潮水で家の周囲や神棚を清める風習は各地にみられる。…
【沐浴】より
…髪や体を洗うこと。とくに神聖なものに接するのに先立って,湯や水を浴びて体を浄めることが行われてきた。宗教儀礼として,身をきよめけがれをはらう方法は,水のほか,火,煙,香料の使用が世界的に広くみられる。…
※「水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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