出産育児一時金(読み)しゅっさんいくじいちじきん

共同通信ニュース用語解説 「出産育児一時金」の解説

出産育児一時金

出産した際、公的医療保険財源として全国一律の金額が支給される制度。現在は1児につき原則42万円。1994年に30万円で始まり、全国の公的病院の平均額を勘案して引き上げられてきた。2006年10月に35万円に引き上げられ、09年1月に38万円、10月に42万円となった。09年以降は、出産事故の際に補償金が出る「産科医療補償制度」の掛け金(現在1万2千円)も支給額に含まれる。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「出産育児一時金」の意味・わかりやすい解説

出産育児一時金
しゅっさんいくじいちじきん

出産に際しての健康保険給付の一つ。出産や育児には多くの費用を要するので、日本では医療保険制度のなかに出産育児手当制度が設けられている。1994年(平成6)の健康保険法などの改正によって、出産や育児の支援を強化するために従来の「分娩(ぶんべん)費(最低保障額24万円)」と「育児手当金(2000円)」を統合して「出産育児一時金」が創設され、給付額が大幅に増額された。

 健康保険等の被用者保険においては、2009年(平成21)10月以降、被保険者本人および被扶養者が出産したときに胎児1人につき定額42万円(産科医療補償制度に加入の医療機関等で分娩の場合。同制度に加入していない医療機関等で分娩の場合は39万円。2015年1月、40.4万円に引上げ)が支給されている。国民健康保険では、従来の「助産費」にかえて「出産育児一時金」が支給される。ただし、国民健康保険の場合は国の基準額では健康保険などの支給金額に準じているが、制度的には法定任意給付である。いずれにおいても妊娠85日以降であれば、生産死産流産の別に関係なく支給される。

 なお、「出産育児一時金」は出産育児の経済的な援助を行うものであり、分娩による収入の喪失分を補填(ほてん)して生活を保障する「出産手当金」とは混同されやすいが別のものである。

[小谷浩之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android