日本大百科全書(ニッポニカ) 「分級機」の意味・わかりやすい解説
分級機
ぶんきゅうき
classifier
流体中における粒子の沈降速度の差を利用して、粒子の大きさの相違によって分けることを分級classificationというが、分級を行う装置を分級機という(密度の異なる群に分けるのは選別sortingという)。
分級機は、流体が液体(おもに水)か気体(おもに空気)かによって、湿式分級機と乾式分級機に大別される。前者は後者に比べて装置の単位面積当りの処理能力が低く50分の1以下である。しかし、粒子の分級の精度は優れ、また分級した粒子の排出、輸送などは能力が大きくトラブルも少ない。分級機は粉砕機などと組み合わせて用いられることもある。
湿式分級機には、水中での粒子の重力沈降速度の差のみで分ける、もっとも単純な沈降分級機、粒子の沈降方向と逆向きに二次的水流を加えて分ける水力分級機、機械的な機構を用いる機械的分級機、遠心力場での沈降速度の差を利用する遠心分級機(液体サイクロンや遠心沈降機)などがある。乾式分級機は、一般に風力分級機とよばれる重力分級機や遠心分級機、慣性分級機などに分類される。
[早川豊彦]