切能物(読み)きりのうもの

百科事典マイペディア 「切能物」の意味・わかりやすい解説

切能物【きりのうもの】

能の曲柄。五番目物とも。フィナーレ用のにぎやかで強くテンポの速い能。現行51番。鬼神の《野守》《鵜飼》,天狗(てんぐ)の《鞍馬天狗》《是界(ぜがい)》,鬼の《黒塚》《紅葉狩》《大江山》《土蜘蛛(ぐも)》,畜類の《小鍛冶》《殺生石》《鵺(ぬえ)》など。ほかに《当麻(たいま)》《融(とおる)》《船弁慶》《熊坂》《山姥(やまんば)》《石橋(しゃっきょう)》《鷺》《猩々(しょうじょう)》の類。
→関連項目

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世界大百科事典(旧版)内の切能物の言及

【五番目物】より

…五番立分類(江戸時代の1日の番組編成基準に基づく分類法)で第5番目に置かれる能。切能物(きりのうもの)とも言い,すべて太鼓が加わり,速いテンポで演じる。天狗物の《鞍馬天狗》《是界(ぜがい)》,鬼退治物の《紅葉狩》《大江山》,鬼畜物の《昭君》《鵜飼》《鵺(ぬえ)》など,鬼や天狗が登場する曲のほか,猛将が主人公の《項羽》《船弁慶》《熊坂》,貴人や女菩薩が主人公の《融(とおる)》《当麻》,祝言性のつよい《石橋(しやつきよう)》《猩々(しようじよう)》も含まれる。…

※「切能物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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